●さて、週末に開幕したJリーグだ。新監督ハリー・キューウェルを迎えたマリノスは開幕戦でJ2から昇格したヴェルディと国立競技場で対戦。ヴェルディは16年ぶりのJ1復帰。なんと、31年前のJリーグ発足時の最初の試合と同じヴェルディ対マリノス戦の対戦カードが再現された。当時はこの両者の対戦がナショナルダービーであり、リーグ発足時にはこの1試合だけがほかの試合に先んじて行われたんである。かつてのライバルだったこともあり、J2にいる間はうっすらとヴェルディを応援していたが、同じJ1で対戦するとなったらそうもいかない。マリノスには往年のヴェルディ・キラーを発揮してもらわねば!
●とはいえ、マリノスは主力選手が毎年チームを去り、選手層がどんどん薄くなっている。積極投資で優勝した後の回収局面が続いているような状態。今季、マリノスを優勝候補に挙げる人はほとんどいない(浦和、広島、神戸の前評判が高いみたい)。しかもトップレベルでの監督経験のないハリー・キューウェルがボス。選手時代はスーパースターだったけど、この人選はどうなんでしょ。
●キューウェル監督はアンカーを一人置く形を好むようで、基本布陣はこれまでの4-2-3-1から4-1-2-3になりそう。先発はGK:ポープ・ウィリアム(町田から獲得)-DF:松原健、上島拓巳、エドゥアルド、渡邊泰基(新潟から獲得)-MF:喜田拓也-渡辺皓太、山根陸-FW:水沼宏太、アンデルソン・ロペス、エウベル。DAZNで観戦。試合開始早々から出足の鋭いヴェルディに押されまくって、前半7分、山田楓喜にフリーキックを決められて失点。そのままヴェルディのペースで試合が進んだ。後半に入って、キューウェル監督は水沼をヤン・マテウスと、喜田を宮市亮と交代。両ウィングを左に宮市、右にヤン・マテウスにして、エウベルとアンデルソン・ロペスの2トップという見慣れない形に変更する。ヴェルディの4-4-2とぶつかり合う形にしたかったのか。だが、これも功を奏さず、渡辺皓太をナム・テヒに、エウベルを天野純に交代、もとの布陣に。さらに中盤の山根陸をフォワードの植中朝日に代えて攻勢に出た。後半44分、ヴェルディには不運なPKがあり、アンデルソン・ロペスが同点ゴール。そして後半48分に右サイドを駆け上がった松原が豪快なスーパーショットをゴール左上に決めて逆転。劇的な勝利を収めた。ヴェルディ 2-1 マリノス。監督の名采配? あまりそうとも感じなかったが、結果が出た以上は「正解」か。
●ヴェルディが先制して、マリノスが2点を取って逆転するという展開は、そっくりそのまま31年前のリーグ開幕戦と同じ(当時の得点者はヴェルディのマイヤー、マリノスのエバートン、ラモン・ディアス、だったかな)。しかも、31年前の試合に出場していた水沼貴史の息子、水沼宏太がこの試合で先発していた。なんという奇遇。
February 28, 2024