●今年も新宿のSOMPO美術館の「FACE展2024」(2/17~3/10)に足を運んだ。年齢や所属を問わない新進作家の登竜門として開催される公募コンクールで、1184名の出品から選ばれた78点が入選作品として展示され、そのなかからグランプリ等の受賞作品が定められている。けっこうな倍率。この展覧会、作品がすごく多様なのと、混雑しないのが魅力。同美術館の「ゴッホと静物画」の混雑ぶりに閉口して思ったけど、混雑してると美術館の楽しみは半減、いや、それ以上に減るかも。
●ここは「オーディエンス賞」が設定されているのが吉。自分の一票をどれに入れるか迷いながら鑑賞できる。以下、今年の展示でいいなと思った3作。
●「絡みつき、纏わりつく、」(春日佳歩)。すごいインパクト。生きることは食べること。このスパゲッティ、どんなシチュエーションならこういう食べ方になるのかわからないが、トマトソースの赤が効いている。よく見ると頬にアリが2匹、這っていて、アリもまた生きている。右下に蹄のある動物。
●「CYCLE」(巽明理)。この小さな画像ではぜんぜん伝わらないけど、体毛や葉のきらきらとした色彩に見とれる。動物も植物も含めてのCYCLE。いずれ土に還る。
●「静けし」(清水英子)。自分にとってはノスタルジーを刺激される原風景のような一枚。これも近づいて見ないとわからないのだが、雪の質感に魅了される。どさりと積もった後、人が何人か通って道ができているところを歩く。ザクッ、ザクッという音が聞こえてきそう。
March 5, 2024