●東京オペラシティで演奏会があるときは、少し早めに行くと同じフロアのアートギャラリーに立ち寄ることができる。現在開催しているのは「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」(1/17~3/24)。実際に足を運んだのはだいぶ前なんだけど、2回も見たのでメモっておく。
●これはガラス作家の山野アンダーソン陽子によるアートブックを制作するプロジェクトで、山野が18人の画家に「描きたいと思うガラス」を言葉で提案してもらって、それに応じてガラスの器を制作する。で、そのガラスを画家が描き、さらに写真家が撮影し、デザイナーがアートブックにする。そんな多段階プロセスを展覧会にしている。最初、予備知識がなくいきなり見たので、なにをやっているのかわからず混乱してしまったのだが、意味がわかるとすごくおもしろい。「一粒で二度おいしい」というか「三度も四度もおいしい」というか。
●たとえば、こんな感じにガラスが絵の題材になっている。ガラスっていうか、ネコとか、ほかにいっぱいいろいろあって情報量が多いが、絵のなかのガラスの実物がそこに展示してあるという立体感が吉。
●ガラスが主役になっている作品もあれば、そうでもないものもある。これはどっちだ。なんだか魅かれる。
●これはガラスを作ってもらわなくても描けたのでは? と、つい思いたくなってしまうが、きっとガラスがなかったらぜんぜん別の絵になっていたにちがいない。