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May 15, 2024

締め切りは「守る」ものではなく「攻める」もの

●以前にもご紹介したことがあると思うが、「翻訳百景」(越前敏弥著/角川新書)を読んでいて出会った衝撃の一言。締め切りは「守る」ものではなく「攻める」もの。おおぉ……。これはなかなか言えない。どういう文脈で出てきたかというと、著者がまだ駆け出しの頃、2、3週間後の締め切りの仕事を3日くらいで仕上げて、人よりも目立つように努めたという話だった。まあ、いくらなんでもこれは極端な例にしても、たとえ1日か2日でも締め切りより早く仕上げることができれば、十分に「攻める」ことにはなると思う。
●この言葉を紹介すると、こんなふうに受け取る人もいる。「そうそう、20日締め切りとか言っても、21日とか22日なら問題ないに決まっているし、先方もサバを読んでるはずだから実は25日とか26日でもぜんぜん大丈夫なはず、なんなら初校をすっ飛ばして再校で原稿を突っ込むと割り切れば月初に食い込んでもまだ間に合う……」みたいに。これは「攻める」方向をまちがえている。