●新宿のSOMPO美術館で「北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」展(6月9日まで)。ノルウェー国立美術館、スウェーデン国立美術館、フィンランド国立アテネウム美術館の協力を得て約70点を展示。ノルウェーのムンクを別とすれば、それほどメジャー度が高くないということなのか、混雑せず快適。ゆっくり鑑賞できて、満足度は高い。以前の「ゴッホと静物画」に懲りたので、これくらいの路線を狙っていきたい。上のポスターにあしらわれているのは、テオドール・キッテルセンの「トロルのシラミ取りをする姫」。グリーグの「ペール・ギュント」に出てくる山の魔王がトロル(トロール)。この絵では毛むくじゃらに描かれていて、いかにもシラミがいっぱいいそう……。
●ワンフロアだけ撮影可能になっていた。これはノルウェーのアイリフ・ペッテシェンの「夜景画」。湖のほとりにたたずんでいるのは水の精なのかな。ウンディーネとかルサルカとか、そういう男が水底に引きずり込まれる系の存在か。
●こちらはスウェーデンのアーンシュト・ヨーセフソン「水の精」。これはネッケンっていう水の精なんだそうだけど、少しおもしろいのはヴァイオリンらしき楽器を弾いているところ。ヴァイオリンが魔力と結びつけられる話は多々あるけど、水の精が弾くというパターンがあるとは。水の中じゃ弾けないだろうとか、楽器職人はどこにいるんだとか(水の底?)、そういう素朴な疑問を抱かなくもない。
●こちらはフィンランドのヨセフ・アラネンによる「レンミンカイネンと牛飼い」。「カレワラ」の世界だ。もちろんシベリウスを思い出す。今にも曲が聞こえてきそう。トゥオネラの白鳥もいるし。