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June 27, 2024

EURO2024 グループリーグ第3節 オランダ対オーストリア、イングランド対スロヴェニア

●発売当日にちゃんとガルシア・マルケス「百年の孤独」文庫版が届いた。最近、amazonは迷走気味だと思ってたけど、こういうところはすごい。
●だが、マコンドの町も気になるが、今ドイツでEURO2024が佳境に入っているのだ。11人と11人の男たちが走り回ってくりひろげるマジックリアリズムはグループリーグを終えつつある。ここで昨日の2試合を軽く振り返っておこう。
オーストリア●まずD組のオランダ対オーストリア。ここは同じ組にフランスとポーランドが入っている。1位と2位をフランスとオランダで争うものと思っていた人が大半だろうが、なんと1位通過はオーストリアだった。音楽分野では最強国だが、サッカーでは弱小国……というのは昔の話。この試合、序盤からずっとオーストリアがボールを保持して、オランダが受けて立つ展開。オーストリアがゴールを決めると、オランダが追い付き、するとまたオーストリアが引き離すという展開が続いて、オランダ 2-3 オーストリア。個の力ではオランダが勝っていたと思うが、この国は組織的な守備力が足りない。もっと連動してプレスをかければ、オーストリアはビルドアップで苦労したはず。もっとも、負けたオランダも決勝トーナメントに進出はできる。両チームとも190cm前後の大型選手がごろごろいるなかで、オーストリアのロマーノ・シュミット168cmが攻撃のキーマンとして大活躍。
スロヴェニア●C組のイングランド対スロヴェニアは、同時開催のデンマーク対セルビアとともに0対0で終わった。これは退屈を絵に描いたような試合で、なにか大きなミスかラッキーがないかぎり、点が入らないという展開がずっと続いて0対0。それもそのはずで、両者とも引分けなら決勝トーナメントに進めるのだ。イングランドは1位通過だが、終わった瞬間、喜びを爆発させたのはスロヴェニアの選手たち。もう一方のデンマーク対セルビアでどちらかが勝てばスロヴェニアは3位、引分けなら2位または3位になる。2位ならもちろん通過だが、仮に3位だったとしても、その場合、スロヴェニアは3引分けで勝点3。すべて引分けなので必然的に得失点差はゼロ。各組の3位は6チーム中4チームが決勝トーナメントに進めるわけだが、すでに試合が終わっているA組の3位はハンガリーが勝点3で得失点差は-3、B組の3位はクロアチアで勝点2でどちらもスロヴェニアを下回るので、スロヴェニアは3位でOKという状況だったのだ。奇妙なことに、WOWOWの中継ではアナウンサーも解説者もそのことに言及せず、なぜスロヴェニアの選手たちが喜んでいるか、明快に説明しなかった。しかも、ここにはさらに複雑な背景も絡んでいて、同組のデンマークとスロヴェニアとが同じ勝点、同じ得失点差、同じ得点、当該チーム同士は引分けという状況なのに、なぜ2位がデンマークで、3位がスロヴェニアになったのか、という謎がある。これはフェアプレーポイントの差だったようだ。選手に出されたイエローカード数まで同じだったが、スロヴェニアのベンチに1枚カードが出たため、その差で決まったらしい(報道には別の説明もあって混乱しているが、上記解釈はロイターの報道による)。それにしてもレギュレーションがややこしい。ここまでやたらと煩雑な話が長々と続いているので、もうそろそろだれも読んでいないと思うが、これほど話が複雑になるのは、どこかに問題があるのではないかという気がするし、なにより24チームから16チームを選ぶために(=8チームを落とすために)36試合もすることの不合理を感じずにはいられない。と文句をいいながらも、楽しんでしまうわけだがっ!