●EURO2024、意外と伝統国が勝ち残っているというのがここまでの大まかな印象。
●ベスト16でいちばん注目度の高いのが優勝候補対決フランスvsベルギー。が、負けられない一発勝負にありがちだが、かなり渋い試合内容になってしまった。もともと両チームともイメージに反して、グループリーグで得点も失点も少なかったチーム。その両者が対戦。序盤から相手にほとんどハイプレスをかけないので、ディフェンスラインでゆっくりとボールを回せる。これくらいのレベルになると、下手にプレスをかけて後ろにスペースができてしまうと餌食になるということなのか、あるいは消耗を避けたかったのか。終盤になってようやくスペクタクルが見られるようになったが、結局のところフランスの枠内シュートは2、ベルギーは3。勝敗を分けたのは後半40分、フランスのコロムアニのシュートがディフェンスに当たってコースが変わりオウンゴールになった。フランス 1対0 ベルギー。ベルギーには不運なゴールだったが、全般に消極的すぎたか。
●今大会では、キャプテン以外が主審に抗議をするとイエローカードが出るルールになっている模様で、これはアジアカップやJリーグでも採用してほしい名案だと思った。これで選手たちが主審を囲んでプレッシャーを与えるなんてことはなくなるはず。この試合でもフランスのチュアメニの抗議にサクッとイエローが出た。ただこのルールだと、ゴールキーパーがキャプテンだと少し困ったことにならないだろうか。前線でなにかあっても遠すぎるので。
●ポルトガル対スロヴェニアはハイライトで。ポルトガルは他のメンバーがターンオーバーしているのに、39歳のクリスチャーノ・ロナウドだけが先発しつづけている。まるでアンタッチャブルな存在であるかのよう。攻めるポルトガルと堅守速攻のスロヴェニアという構図だが、むしろスロヴェニアがカウンターの決定機を外し続けたという印象。0対0で延長に入り、クリスチャーノがPKを蹴るも、名手ヤン・オブラクに止められてしまう。ここで涙を流して泣くクリスチャーノをチームメイトが慰めるのだが、39歳の大ベテランがここまで感情的になる姿をどう受け止めればいいのか、よくわからない。どんなときもクリスチャーノは主役としてふるまう。延長後半、ペペのミスからスロヴェニアがビッグチャンスを迎えたがシュートを外してしまい、なにか締まらない雰囲気に。延長を終えて0対0。ところがPK戦になると、ポルトガルの守護神ディオゴ・コスタが3本連続ストップという神技を見せて、真のヒーローになった。これは伝説のはじまりかもしれない。でもスロヴェニアが決めるべきところで決めて勝つべき試合だったような気も。
July 3, 2024