●週末の間にEURO2024、準決勝の4試合が行われた。4試合中3試合が延長に入る接戦。勝ち残ったのはスペイン、フランス、オランダ、イングランドで、いわゆる強豪国ばかりになったのは意外。各々の試合の中身を見た印象は決してそんな感じではなかったのだが。
●大一番はスペイン 2-1 ドイツ。どちらが勝ってもおかしくなかった。開催国ドイツが勝ったほうが大会としては盛り上がったことはたしか。ナーゲルスマン監督はまだ36歳。プロ選手経験はなく、監督としての手腕だけで頂点までのぼりつめた。こういう指導者はまだまだ日本からは出てきそうもない。
●スペインにペナルティエリア内でのハンドがあってPKが与えられるかと思ったが、主審もVARもあっさりとファウルなしの判定。ディフェンスが腕を身体に付けようとする途中でボールに当たったものだったので、これはファウルなしが妥当だろう。これでPKをもらえるならゴールを狙うより、ディフェンダーの腕を狙って蹴ったほうが簡単だという話になりかねない。腕をあげたり開いたりしていないなら、当たってもPKにする必要はないというのが自分の感覚。
●ポルトガル 0-0 フランスはPK戦でフランスが勝ち抜け。かなり慎重な試合。クリスチャーノ・ロナウドはずっと試合に出続けているが、往年の迫力はすっかり失われた。ロベルト・マルティネス監督がなぜクリスチャーノを外さないのか、大いなる謎。
●イングランド 1-1 スイスは質が高く、見ごたえのある試合。全般にスイスのほうが内容で勝っていると感じたのだが、イングランドはPK戦で統計的に有利な先攻を得て、全員が成功して勝利。イングランドのキーパー、ピックフォードの水筒には、スイスの選手たちのPKの得意コースを記した紙が貼ってあり、実際にそれに従って一本止めたという。そういう情報戦もおもしろいとは思うものの、やはりPK戦は不条理だと感じる。「サッカーで決着をつけた」感じがしない。延長に入ったら、9人対9人でプレイする、みたいな新ルールがほしい。
●オランダ 2-1 トルコ。先制したのはトルコだったが、後半に追いつかれて、さらにオウンゴールで失点して逆転されてしまった。終盤、怒涛の攻撃で得点できなかったのが惜しい。オランダの失点は一瞬、守備の勤勉さを欠いた場面。試合会場はベルリン。トルコは準ホームゲーム的な戦いをできたわけだが、ドイツともどもベスト8で大会を去ることに。決勝がドイツ対トルコになれば熱かったが、そうはならず。
July 8, 2024