●9日は高崎芸術劇場へ。プラハ放送交響楽団が首席指揮者兼芸術監督のペトル・ポペルカとともに来日。プログラムはスメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲。来日ツアーにはもちろん東京公演も含まれているのだが、「わが祖国」全曲を演奏するのは高崎公演だけということもあって、プチ遠征することに。高崎芸術劇場は開館前に取材で一通り中を見せてもらったことがあるが、外観も内装もすごく立派な作りで、まさしく快適空間。駅から高架歩道(ペデストリアンデッキ、って言うの?)で徒歩5分というアクセスのよさも魅力。車道と分離されていると、こんなにも近く感じられるのかと納得。
●演奏は期待を上回る好演で、雄弁で物語性豊か。覇気がみなぎっている。いわゆる「お国もの」だけど、老舗の味をそのまま差し出すのではなく、ポペルカがしっかりと意匠を施し、熱を吹き込む。「シャールカ」など女たちによる男ども大虐殺の情景が目に浮かぶような鮮烈さ。「ターボル」「ブラニーク」は十分に力強いが、金管がパワー一辺倒にならず、オーケストラ全体と調和した響きを生み出していたのが印象的。意欲満々の管楽器のソロも冴えている。休憩なしの演奏だったが、全曲がとても短く感じた。アンコールなし。大作の余韻を持ち帰ることができた。
●高崎、往路は湘南新宿ラインの特別快速を使ってみた。まあまあ速い。復路はもう特別快速がない時間帯で、在来線ではあまりに遅いので素直に新幹線を使うことに。終演してから駅に向かう途中で、スマホのえきねっとアプリを使って新幹線eチケットを予約し、アカウントに紐づけたSUICAでそのまま乗車。便利になった。が、なにもかもスマホに依存しているところに脆さも感じる。
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●EURO2024は準決勝の第1試合、スペイン対フランス。攻撃力を武器にここまで全勝のスペインと、守備の強さで2勝3分(PK戦は引分け扱い)で勝ち進んできたフランス。スペインは計11ゴール、フランスはたった3ゴールで準決勝にたどり着いた。となれば、第三者としてはスペインを応援したくなる。開始早々にコロ・ムアニが頭で決めてフランスが先制したが、すぐにスペインがラミン・ヤマル、ダニ・オルモのゴールで逆転。16歳のラミン・ヤマルは史上最年少ゴールを大幅に更新。完全に個人技によるゴールで、伝説になる。スペインが順当に勝ち抜けた。
●試合の間、ずっとスペインの左サイドバック、ククレジャがボールを持つたびにブーイングされていたのが気の毒だった。最初、意味がわからなかったが、ドイツ戦でハンドを見逃されたからという理由で、ドイツ・サポーターがブーイングを浴びせていたらしい。判定が不服で審判にブーをするならともかく、選手にブーをするのはお門違いもいいところ。おそらくドイツの勝ち抜けを期待してこの試合のチケットを買ってあったが、対戦カードがスペイン対フランスになってしまい、うっぷんを晴らしたということか。
July 10, 2024