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July 22, 2024

エリアス・グランディ指揮読響のブラームス他

●19日はサントリーホールでエリアス・グランディ指揮読響。ウェーバーの「魔弾の射手」序曲、ショパンのピアノ協奏曲第1番(マリー=アンジュ・グッチ)、ブラームスの交響曲第4番という本格名曲プログラム。エリアス・グランディは今年、札幌のPMFに客演しており、札響の次期首席指揮者でもある。今回、初めて聴くことに。ミュンヘン生まれで両親はドイツ人と日本人。実年齢より若く見える。全身を使ったダイナミックな指揮ぶり。ウェーバーもブラームスもドイツ音楽にふさわしい重量感。大まかな造形はオーソドックスで、ときおり強弱の表現に工夫がある。キレキレでも鮮烈でもないのだが、安心して身をゆだねることができるブラームス。
●マリー=アンジュ・グッチのショパンは弱音表現が特徴的。洗練された華麗さという方向性とは少し違って、常套的ではなく、一から吟味して作り上げた詩的表現といった印象。ソリスト・アンコールにラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲のおしまいの部分をピアノのみで。グッチはラ・フォル・ジュルネでも同じ曲をアンコールで弾いていたような。こうなると全曲を聴きたくなる。
●ブラームスの交響曲第4番の第1楽章が終わる直前に、ティンパニのほうからバチン!と妙な音が聞こえた。どうやらティンパニが破れたみたいで、楽章間に破れた1台を横に動かして、残りの3台を使用。
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●宣伝を。大阪の住友生命いずみホールの情報誌 Jupiter の拙連載「あなたは何番がお好き? 作曲家別交響曲ランキング」の第2回はブラームス。紙版に加えて、オンライン版でも公開されている。主要作曲家たちの交響曲について、レコーディングと演奏会の両面で人気ランキングを比較するという連載。ご笑覧ください。