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July 25, 2024

ダン・エッティンガー指揮東京フィルのブルックナー

●24日は東京オペラシティでダン・エッティンガー指揮東フィル。プログラムはモーツァルトのピアノ協奏曲第20番(阪田知樹)、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」。生誕200年でなくともブルックナーは毎年大人気だが、エッティンガーがブルックナーを振るのはやや意外。エッティンガーはかつての常任指揮者、現在の桂冠指揮者。定期演奏会には10年ぶりの登場だとか。
●モーツァルトの協奏曲からエッティンガーはオーケストラを丹念に彫琢して、明快な響きとしっかりとしたダイナミクスによるスケールの大きな表現。格調高い阪田知樹のソロとともに、一歩一歩踏みしめるように進むモーツァルト。短調作品ということもあるが、重量感あり。ソリスト・アンコールにマルチェッロのオーボエ協奏曲にもとづくバッハのアダージョBWV974。切々として情感豊か。
●前半がたっぷりめだったので、休憩が終わって後半のブルックナーに入る時点で20時を過ぎていた。エッティンガーのブルックナーは、近年聴いたこの作曲家の交響曲のなかではもっとも輝かしい演奏。新たにブルックナーに取り組む指揮者には多かれ少なかれブルックナー像を再構築しようとする傾向があると思うが、伝統に束縛されない作曲家像を築くという点でエッティンガーは成功を収めていたのでは。もともと東フィルは暗く重厚というよりは明るく華やかなサウンドに持ち味があると思うが、さらにエッティンガーは曖昧なところのないくっきりとした輪郭をもった響きを引き出す。表からも裏からも光を当てたかのような燦然たるブルックナー。宗教的な恍惚感でもドイツの深い森でもない、都市の祝祭とでもいうべき鮮烈なスペクタクルがくりひろげられた。
●曲が終わった後、客席に完全な沈黙。終演が遅めになったので、カーテンコールの途中で早々に帰る人が多かったのはしかたがない。
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●パリ・オリンピックの男子サッカーが始まった。本日の午前2時から初戦のニッポンU23vsパラグアイがあったのだが、試合を見ないまま結果を知ってしまった。男子サッカーにとって、オリンピックはU23のようなU23でもないような、世界大会のような世界大会ともいえないような不思議な大会だ。欧州からの参加国は開催国フランス以外にウクライナ、スペイン、イスラエルのみ。もともとヨーロッパは3枠しかないのだ。アジアとアフリカがそれぞれ3.5枠。南米は2枠だがブラジルはいない。日本がメダルを狙えるのはたしか。