●31日、ふたたび川崎へ。フェスタサマーミューザKAWASAKIで沖澤のどか指揮読響。なんと、こちらも完売の人気ぶり。プログラムはリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」、リストのピアノ協奏曲第2番(阪田知樹)、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(大木麻理)。交響詩の分野においてリストの衣鉢を継いだシュトラウスと、リストに捧げられたサン=サーンスの傑作という、リストをキーパーソンとした好プログラム。開演前に沖澤のどかと阪田知樹のトークが予定されていたが、風邪で喉が不調ということで阪田知樹と読響楽員によるトークに変更。トークの内容もさることながら、阪田さんが司会役までこなしていて立派すぎる。
●「ドン・ファン」、冒頭からビシッと締まった音が出てきた。オーボエは元東響の荒木奏美。サマーミューザの里帰り感。リストのピアノ協奏曲第2番は阪田知樹が本領発揮。トークでもっとも好きなロマン派協奏曲のひとつと話していたが、パワーもキレもあり、音色はきらびやか。オーケストラも存分に鳴らして豪壮。先日のモーツァルトもよかったけど、やはりリストがよく似合っている。そして、リストは第2番がいいと改めて実感。アンコールは一転して繊細華麗。フォーレの歌曲「ネル」を阪田自身の編曲で。淡いノスタルジーを漂わせる旋律が華やかな技巧で彩られる。名技性とポエジーが両立しているのが彼の魅力。この曲って、パーシー・グレインジャーによるピアノ編曲もあるっすよね。
●後半のサン=サーンス「オルガン付き」は緊密でダイナミック。読響の剛のサウンドを生かしつつ、歯切れよく推進力があり、抒情性も豊か。オルガンが聴きものの曲ではあるが、スペクタクル志向にならず、あくまで交響曲としての構築感が大切にされていたという印象。トークで読響のみなさんが沖澤さんのリハーサルが効率的で指示が的確だと話していたが、音からもオーケストラの士気の高さを感じる。
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●パリオリンピックの男子サッカー第3戦、選手6人を入れ替えたニッポンU23は、イスラエルU23相手に試合終了直前の細谷のゴールで1-0で勝利。追加召集の植中(マリノス)が途中出場。これで3連勝でグループ1位で決勝トーナメントに進出したのはいいのだが、準々決勝でいきなりスペインU23と対戦することになってしまった。これはターンオーバーで控え組を出したスペインが、第3戦でエジプトに破れて2位通過になってしまったため。決勝で当たるべき相手だったが、はたして。
August 1, 2024