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October 7, 2024

クシシュトフ・ウルバンスキ指揮東京交響楽団の変則ラヴェル・プログラム

クシシュトフ・ウルバンスキ 東京交響楽団
●5日はミューザ川崎でクシシュトフ・ウルバンスキ指揮東京交響楽団。コネッソンの「輝く者―ピアノと管弦楽のための」、ラヴェルのピアノ協奏曲(以上、小林愛実)、ムソルグスキー~ラヴェルの組曲「展覧会の絵」というプログラム。小林愛実人気もあってか、チケットは完売。前半でソリストが2曲も弾いてくれるのがうれしい。コネッソンの「輝く者」は初めて聴くが、もともとジャン=イヴ・ティボーデがラヴェルのピアノ協奏曲の続編として委嘱した曲なのだとか。ラヴェルの協奏曲は短めの曲なので、これにコネッソンの10分ほどが加わると、演奏会の前半がきれいに整う。で、曲調もかなりラヴェルに寄せていて、明快でカラフル、しゃれっ気のある作品。少々ラヴェルに寄せすぎかな、と思わなくもないけど。なので、この日は変則オール・ラヴェル・プログラム。
●ラヴェルのピアノ協奏曲は第2楽章が絶品。温かみと慈しみにあふれたラヴェルで、強い印象を残す。今回、たまたまステージに近い席だったこともあって、陰影がよく伝わってきた。ソリスト・アンコールにシューマンの「子供の情景」の終曲。しみじみとした余韻を味わう。コネッソン、ラヴェル、シューマンでひとつの作品を聴いたような感も。
●後半、「展覧会の絵」はウルバンスキ流で清新。筆圧抑え目で、響きのバランスを保ちながら独自の色彩感で染め上げる。「キエフの大門」は壮麗というよりは荘厳。立派な寺院を訪れたかのような感。
●プログラムノート中の広告に「2024シーズン 川崎フロンターレ公式ファンクラブ会員募集中」という1ページあり。ミューザ川崎の法人サポーター欄に川崎フロンターレの名前が入っている。こういうのって、いいなと思う。