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October 15, 2024

東京都美術館 田中一村展 奄美の光 魂の絵画

東京都美術館 田中一村展
●東京都美術館の「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」へ。かなりの人気ぶりで、平日午後イチで行ったが、ほぼ全作品の前に人が立っている程度には混んでいた。展示数は膨大。で、これは人の流れに従って鑑賞していると時間切れになりそうだと思い(次の予定が控えていた)、序盤の展示を半ばあきらめることに。だいたい入口近くがいちばん混雑しているので。初期作品から順に並んでいるのだが、第2章の千葉時代から見始めて、第3章の奄美時代はじっくり見る作戦。田中一村という人は千葉においても奄美においても経済的には苦労続きで存命中にはまったく成功を手にしていないというのだが、それが没後半世紀近くを経てこんなにも人気を呼んでいる。芸術の真価が伝わるには人の一生よりも長い時間が必要だというのは、音楽の世界でも似たようなものか。
●で、千葉を去り奄美大島に移住してから、南国の自然が描かれているだけあって、ぐっと明るい雰囲気になる……と思いきや、一見明るそうでやっぱり暗いというか、息がつまるような緊張感は決してなくなっていないと思う。崖っぷち感というのかな。あるいは寂しさというか。撮影不可なのでフォトスポットの写真しか撮れず。
東京都美術館 田中一村展
●で、展示内容には満足したんだけど、今回、大きな反省点。予想以上に混んでいて、ベルトコンベアに乗ったように人の波に流されることになってしまい、楽しさはもうひとつ。こういう人気の高そうな企画展は夕方とか、週末の夜間開館とかを狙っていけば、もっと空いているのだろうか? あるいは会期序盤がいいのか。このあたりの事情がよくわからない。