●ようやく行けた、東京都現代美術館で開催中の「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」(~11月10日)。質も量もすさまじく、破壊力抜群。精神科医の高橋龍太郎が1997年から本格的に始めた最大級の日本の現代美術コレクションから、選りすぐりの作品が展示されている。有名作家から今の若い人の作品まで。2時間かけて見たけど、時間が足りなかった(足も疲れた)。
●で、あまりに数が多いので、2点だけ、巨大な作品をご紹介。
●こちらは西尾康之「Crash セイラ・マス」(2005)。高さ6メートルに及ぶ巨大なセイラ・マス、つまり「ガンダム」の登場人物だ。こんな小さな写真ではとてもディテールも迫力も伝わらないが、怪物的なヒロインとして再現されている。四つん這いになって、右手のこぶしを振りかざす。「それでも男ですか、軟弱者!」
●横から見るとこうなっている。胴体部分から腰にかけての体表が、かなり禍々しい感じに装飾的で、エイリアン風のグロテスクさを感じる。人間から別の有機体になりつつあるような。
●正面から見るとこう。さあ戦えと鼓舞する怪物。マクベス夫人的なイメージも喚起する。
●もう一点、巨大な作品を。こちらは森靖「Jamboree - EP」(2014)。これもでかい。高さ4メートル。EP、すなわちエルヴィス・プレスリー。なのだが、このエルヴィスは両性具有で、地母神的でもあり大仏的でもある。
●顔をアップにするとこう。この表情がなんともいえず、よい。歌っている、喜んでいる、嘆いている、苦しんでいる。どうとも見える。
●背中側から撮ってみた。背中で語るエルヴィス。哀愁が漂うぜー。
●興味深い作品が山ほどあった。もちろん、まったくピンと来ない作品もたくさんある。必ずそうなる。