●24日は東京音楽大学池袋キャンパスで広上淳一&日本フィル「オペラの旅」Vol.1「仮面舞踏会」の記者懇談会。日本フィルの平井俊邦理事場、フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)の広上淳一、演出の高島勲、アメーリア役の中村恵理、リッカルド役の宮里直樹が登壇。「オペラの旅」第1弾として、2025年4月26日と27日、サントリーホールでヴェルディのオペラ「仮面舞踏会」をセミ・ステージ形式で上演する。昨年、東京定期で広上&日本フィルのコンビでレオンカヴァッロの「道化師」が演奏会形式で上演されたが、その発展形とでもいうべき新シリーズで、衣装も演出も入れてサントリーホールの舞台空間を生かした形での上演になる。
●広上「日本フィルは指揮者広上を育ててくれたオーケストラ。若く未熟な頃から毎年呼んでくれた。心から感謝している。なにか楽団に恩返しをできないかと思い、かねてよりあたためていたのが、音のよいサントリーホールでのオペラシリーズ。すぐれたオーケストラのサウンドとすぐれた歌手たちによる上演を体験してほしい」。「仮面舞踏会」は広上さんがキャリアの初期、1989年にシドニー・オペラハウスで初めて指揮をした思い出深い作品だとか。
●高島「セミステージ方式はNHKホールや東京文化会館では経験があるが、サントリーホールでは初めて。なにができるのか、これから突きつめたい。『仮面舞踏会』というと豪華絢爛な舞踏会のイメージがあるかもしれないが、仮面の奥にある友情や信頼、裏切りを経て、最後にリッカルドの赦しへと向かうドラマを感じ取ってもらいたい。暗殺による政治変革は歴史上の出来事にとどまるものではなく、実際に現在でも起きること。現代的なテーマを扱った作品であることを表現したい」
●歌手陣はアメーリアの中村恵理、リッカルドの宮里直樹に加えて、レナートに池内響、ウルリカに福原寿美枝、シルヴァーノに高橋宏典、サムエルに田中大揮、トムに杉尾真吾。合唱は東京音楽大学。
●リッカルド役の宮里さんが「仮面舞踏会」について「とにかくカッコよくて、涙なくして見れない大好きなオペラ」と語っていて、本当にそうだなと思った。このオペラってすごく欲張りで、愛と友情、裏切り、憎しみなど、いろんな要素がぎっしり詰まっているんだけど、音楽含めてトータルで最高にカッコいいオペラだと思う。
October 25, 2024