●先週、東京文化会館で東京・春・音楽祭の概要発表会があったが、せっかく昼間の上野まで出向いたので、発表会後に隣の国立西洋美術館に少しだけ立ち寄る。いま「モネ 睡蓮の時」が開催中だが、こういう人気の企画展は超絶大混雑でチケット売り場に大行列ができているくらいなので、潔くスルーして空いている常設展へ。常設展は東京国立近代美術館の友の会に入っていればいつでも入れるのだ(お得)。そもそもここは常設展にふだんからモネがいくつも飾ってあるのだが、今は企画展のほうにぜんぶ出払っているのかと思いきや、そうでもなかった。
●こちらはモネ「波立つプールヴィルの海」。睡蓮と無関係な作品は残っているのか。
●で、常設展の一角で「オーガスタス・ジョンとその時代 松方コレクションから見た近代イギリス美術」が開催中。ウェールズ出身の画家オーガスタス・ジョンの初期の素描を中心に同時代の画家たちを並べる。まったくなじみのない世界で新鮮。
●これはクリストファー・リチャード・ウィン・ネヴィンソン「波」(1917)。荒波のはずだけど滑らかな曲線で意匠化されていてモダン風味。なんだか飴みたいだな、と思う。
●海づくしでもう一点。スタンホープ・アレクサンダー・フォーブスの「朽ちた船」(1911)。フォーブスはコーンウォール地方のひなびた暮らしや海辺の風景を題材としたニューリン派の中心人物ということなのだが、コーンウォールで船と来たら、もう「トリスタンとイゾルデ」を思い出さずにはいられない。脳内BGMは「愛の死」で。