amazon
November 13, 2024

濱田芳通指揮アントネッロのバッハ ロ短調ミサ

●11日は東京オペラシティで濱田芳通指揮アントネッロ。バッハのミサ曲ロ短調。合唱は17名かな、そのうちソリストが鈴木美登里、中山美紀、中川詩歩、中嶋俊晴、新田壮人、彌勒忠史、田尻健、坂下忠弘、松井永太郎。かつて聴いたことのないような躍動するバッハ。全編にわたって音楽の喜びにあふれていた。
●冒頭キリエから、前へ前へと進む推進力がみなぎっている。響きは清澄で、温かい。グロリアのひりひりするような熱さ(Cum Sancto Spiritu...の高揚感)、クレドが柔らかく慈しみにあふれた表情で始まって、次第に加速して熱を帯びていく様子、アニュス・デイの絶唱(彌勒忠史)など、聴きどころ満載。とくにアニュス・デイは儚げな祈りの音楽ではなく、起伏に富んだドラマティックな歌唱で、こういう強靭な表現が可能なのかと目から鱗。オペラ的というか。おしまいのDona nobis pacemで、もう終わるのかと寂しくなる。全体が体感的に短く感じた。通奏低音の駆動力の高さ。リュートとハープの撥弦楽器が効いている。コルノ・ダ・カッチャをはじめ、管のソロも充実。
●今年はロ短調ミサを2回も聴けた。やっぱりこの曲はいいなー。