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November 22, 2024

ディマ・スロボデニューク指揮NHK交響楽団のプロコフィエフ、ストラヴィンスキー他

ディマ・スロボデニューク NHK交響楽団
●21日はサントリーホールでディマ・スロボデニューク指揮NHK交響楽団。この秋の「名前が覚えられない気鋭の指揮者」シリーズ第3弾(と、勝手に設定。第1弾はアラン・アルティノグル、第2弾はアンドレス・オロスコ・エストラーダ)。プログラムはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(ニキータ・ボリソグレブスキー)、プロコフィエフのバレエ音楽「石の花」より「銅山の女王」「結婚組曲」、ストラヴィンスキーの3楽章の交響曲。指揮者もソリストも長身痩躯。そしてソリストが指揮者よりもさらに覚えられない名前だった……。ニキータ・ボリソグレブスキー。10回くりかえしても覚えられる自信がない。
●前半、そのボリソグレブスキーは颯爽として洗練されたチャイコフスキーを披露。ロマンや土の香りは控えめ。オーケストラも引きしまったサウンドで雄大。ソリスト・アンコールはバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番のサラバンド。後半はあまり演奏されないプロコフィエフの「石の花」とストラヴィンスキーの3楽章の交響曲の組合せ。プロコフィエフのバレエ音楽といえば「ロメオとジュリエット」や「シンデレラ」が人気曲だけど、比べると「石の花」にはキャッチーなメロディが乏しいということなのか。バレエのプロローグに相当する「銅山の女王」は、むしろ交響曲に近いプロコフィエフのワイルドなテイストを楽しめる。それに比べると「結婚組曲」は職人芸的というか、やや穏健な作風。オーボエのソロが圧巻。ストラヴィンスキーの3楽章の交響曲は整然としてスマート、さすがのカッコよさ。新古典主義的な軽快さだけではなく、重量感も。こちらのほうが「石の花」より少し前に書かれているわけだけど、いつまでも新鮮さを失わない曲。
●この日、なにを勘違いしたのか、会場がNHKホールだと思い込んでいて、原宿駅を出て代々木公園に入るところまで歩いてから、「はっ!」と気がついた(気づくのが遅すぎ!)。「オ、マイガッ!」と心のなかで絶叫し、猛ダッシュで引き返して、地下鉄の明治神宮前駅に直行。最短ルートをあれこれ検索しながら銀座線に乗り換えて溜池山王駅からサントリーホールに向かって、大汗をかきながら開演に間に合ったのだった。いやー、どちらの会場もあり得る金曜日ならともかく、サントリーホールに決まっている木曜日にまちがえるって、どういうことなの? ふつう、まちがえないでしょ。っていうか、会場まちがい、今までに何回やってるの。まったく自分を信用できない。