amazon
December 2, 2024

宗次ホールで田部京子ピアノ・リサイタル

宗次ホール
●遡って11月17日、名古屋の宗次ホールへ。2007年にカレーハウスCoCo壱番屋創業者である宗次德二氏が設立したこの地の名物ホールで、訪れるのはかなり久しぶり。稼働率が高く、昼の公演も含めればほとんど毎日何かしら公演があるのがすごい。
●この日は田部京子ピアノ・リサイタル。前半にシベリウスの「樹の組曲」(ピヒラヤの花咲くとき/淋しいもみの木/ポプラ/白樺/もみの木)、フランク~バウアー編の「前奏曲、フーガと変奏曲」、後半はドビュッシーを集めて、2つのアラベスク、「ベルガマスク組曲」「版画」「喜びの島」。プログラムの柱となっているのは組曲。性格的小品を集めたシベリウスのような組曲もあれば、グリーグやドビュッシーのような前奏曲に各種舞曲が続く古典組曲のスタイルを借りた組曲もあり、それぞれの特徴が描き分けられるという美しいプログラム。最後は「喜びの島」で感情を爆発させる。潤い豊かでみずみずしい音楽を堪能。アンコールにドビュッシーの「夢」、さらに挨拶をはさんでグリーグの「君を愛す」。カーテンコールは撮影可だった。
宗次ホール 田部京子
●宗次ホールの座席数は310席。奏者と同じ空間を共有している感覚が半端ではない。座席にゆとりがある感じで、ぜいたく。栄駅からすぐで、ひとつ通りを隔てたところに愛知芸術文化センターがある。栄は自分にとって懐かしい街だったのだが、昔とすっかり風景が変わっており、だんだん知らない街になってきた。感覚的には丸善が移転したあたりで別の街になった。