●昨日に続いて愛知県ネタをもう一件。豊田市美術館に足を運んだ。この美術館、今回で3度目だが常に満足度が高く、また来たいと思ってしまう。毎回、企画展と常設展のどちらも最強なのだ。その意味では都内でいえば東京都現代美術館や東京国立近代美術館に匹敵するが、建物と庭園の広さと開放感で上回る。しかも週末の昼間でも混んでない。近くに住んでたら年パス必須。
●ここの庭園が心地よい。作品もいくつか展示されている。座る場所もあり、あまり人がいないのでのんびりできる。駅から少し歩くので、着いたらまずここで「ふー」と休憩する。帰るときもいったんここで休憩できるとなおよい。
●現在の企画展は「しないでおく、こと。― 芸術と生のアナキズム」。独自の切り口で現代アート中心に並べられているのだが、異様な存在感があったのが複数アーティストの協働による「コーポ北加賀屋」の一角で、びっしりと展示物が詰めこまれていて、情報量がやたらと多い。その饒舌さにくらくらするのだが、一方でノスタルジーも漂っていて、架空の昔の自室みたいなムードがある。
●もうひとつ印象的だったのはアーティスト集団「オル太」による映像作品+インスタレーションのセット。ふだん、映像作品は時間を食うこともあってスルーしがちなのだが、この映像は当の美術館内にセットを組んで撮影したもので、しかもそのセットが並んで作品として展示してあるのがおもしろく、見入ってしまった。昭和の高度成長期の「団地」が題材となっていて、とてもよい。
●豊田市美術館へのアクセスだが、豊田市駅または新豊田駅から徒歩13分くらいだろうか。公式サイトにはタクシー利用で展覧会の割引券を配布するとあったので、初回はタクシーにしようか迷ったものの、歩いてみたら拍子抜けするほど近かった。ただ、館が坂の上にあるのと、美術館自体がたくさん歩く場所なので、タクシーに乗れば乗ったで楽だとは思う。というか、毎回駅から歩いている人をほとんど見かけないので、自家用車の人が多いのかも。ちなみに豊田スタジアムとは駅からの方角が違う。
●豊田市駅には名古屋駅から行っても、豊橋駅から行っても1時間かかる。東京から行く場合、のぞみでいったん名古屋まで行ってから豊田市に戻るほうが新幹線の本数が多くて便利だが、この「行って戻る」というエコロジー的な不合理さが嫌で、自分は毎回ひかりで豊橋まで行き、名鉄を乗り継いで豊田市に行くようにしている。豊橋駅停車のひかりが限られているので、常にそうできるかといえば微妙ではあるのだが。