●11月の東海シリーズ第3弾、宗次ホール、豊田市美術館に続いて、岐阜市の岐阜県美術館へ。目的は「オディロン・ルドン 光の夢、影の輝き」(~12/8)。岐阜駅は名古屋駅から東海道本線で20分ほどで、かなり近い。もともと岐阜県美術館は約260点ものオディロン・ルドンのコレクションを持っていて、収蔵品だけでもかなり立派な展覧会を開けるのだが、そこに各地の美術館やギャラリーが所蔵するルドン作品を集めて、約330点というとんでもない規模のルドン展が実現した。またとない機会なので、宗次ホールの前に足を延ばす。広々とした敷地にある落ち着いた美術館。
●日曜日の開館に合わせて訪れたが、人は疎ら。もし都内で大ルドン展が開催されたら、週末だろうが平日だろうが大混雑の中でベルトコンベア鑑賞を強いられることは必至。演奏会は東京が圧倒的に恵まれていると思うが、美術展に関してはこのあたりに中規模都市の絶対的な優位がある。気に入った作品をのんびり好きなだけ見ていられる。
●とにかく作品数が膨大すぎて一度にはとても見切れない。すごい迫力。おもしろかったのは同じ版画が複数並んでいたりするのだが、これが意外と違うのだ。刷り方によるものなのか、明るさが違っていると作品の印象もけっこう変わる。全体を眺めて印象的だった点をキーワードとして挙げると、ブリュンヒルデ、パルジファル、仏陀、オフィーリアなど「ハムレット」関連、神話、挿画、花。惜しいのは写真撮影が全面禁止だったこと。こうして話題にしていても肝心の絵がないので寂しい。もっともルドンはパブリックドメインなんだから、絵柄そのものは好きに使えるわけで、なんだか悔しいから一点、ここに貼っておこう。「仏陀」(1904年)オルセー美術館蔵。この展覧会の絵じゃなくてごめん。左上にうっすらとミッキーがいる気がする(いません)。
●岐阜県美術館へのアクセスは、岐阜駅からバス、あるいはJR西岐阜駅から徒歩15分弱。バスの本数は少ない。でも西岐阜駅に止まる電車の本数も少なめ。どっちでもいいから検索して先に着くほうを選んだら、西岐阜駅から歩くことになった。車はたくさん通るが、あまり人は歩いていない。帰りはバスにしようと思ったが、どのバス停に乗ればいいのかパッとわからなかったので、めんどうになって西岐阜駅まで歩く。決して歩いて楽しい道ではないので、バスのほうがよかったかも?