●まもなく閉幕するのだが(~12/22)、東京国立近代美術館で「ハニワと土偶の近代」。えっ、ハニワ? いやー、そんなに関心ないんだけど、ま、せっかくだし見ておくか―、みたいな軽い気持ちで行ったらメチャクチャおもしろかった。少し前まで東博でハニワ展があったと思うけど、あちらは本物のハニワなのに対して、こちらはなにせ「近代」美術館なので、ハニワにインスパイアされた20世紀以降の作品が中心。ハニワがもたらすイメージの豊かさ、予想外の物語性に驚く。ハニワが皇紀2600年の奉祝ムードのなかで日本の美として称揚され、戦意高揚や軍国教育に結び付くといった歴史を経て、それが後にSFオカルトブームとともにサブカルチャーに取り込まれていく様子など、実にエキサイティング。
●これは榎戸庄衛の「出土」(1953年頃/茨城県近代美術館)。ハニワがキュビズムと結合している。何にでも組み合わさるハニワの汎用性がすごい。
●こちらは岡本太郎の「犬の植木鉢」(1954年/滋賀県立陶芸の森陶芸館)。ハニワ風、なのか。犬なんだけど、ヒトのようでもあり、異世界生命体味もあり。
●「ハニワと土偶とサブカルチャー」というテーマで集められた品々。ハニワや土偶は容易に空想上の武人や宇宙人と結びつく。ミクロマンやドラえもん、怪物くん、サイボーグ009、キン肉マンなど。
●その一環にあるのが大映の「大魔神」。穏やかなハニワ顔が憤怒の形相に変化するまでの動作は、仮面ライダー、ウルトラマンと並ぶ日本三大変身ポーズのひとつとされている(ウソ)。