●国立工芸館の監修により麻布台ヒルズギャラリーにて「ポケモン×工芸展 美とわざの大発見」が開催中。ポケモンと工芸の出会いがどんな化学反応を引き起こすのか、というテーマに人間国宝から若手まで20名のアーティストが取り組んだ意欲的な企画。2023年に金沢の国立工芸館で開催されて以来、全国各地を巡回している。ロサンジェルスでも展示されたとか。上の写真は彫金作家の吉田泰一郎による「シャワーズ」(2022)。シャワーズはイーブイの進化形で、みずタイプのポケモン。体表面にヌメッとした感触があるのが特徴だと思うのだが、それが彫金で表現されているのがすごい。
●こちらは同じく吉田泰一郎による「サンダース」(2022)。同じくイーブイの進化形で、でんきタイプである。この表情が実によい。イーブイズって、イヌのようなネコのようなキツネのような雰囲気だけど、こうして正面から見るとイーブイズはイーブイズでしかないと実感する。あ、ちなみにポケモンの世界には動物はいないって知ってた? 正確に言えば、人間とポケモンだけがいる。したがって、ポケモンの登場人物たちは肉食をしない、はず。
●こちらは磁器。葉山有樹の「超古代ポケモン玉盌」(2022)。このサイズの写真ではわかりづらいが(高解像度の写真は拙インスタへ)、レックウザ、グラードン、カイオーガの超古代ポケモンが描かれている。一瞬、これが太古の昔に作られた磁器だったらな、と思う。あふれる疑似歴史ロマン。
●着物もある。ポケモン×友禅。水橋さおりによる友禅訪問着「雲の間に」(2024)。よく見ると、雲の間にいるのはチルット。ひこうタイプである。青と白のチルットが、空と雲の間を飛んでいる。色違いの黄色チルットがいるのを見つけた。
●これは陶器。桝本佳子による信楽壷「ファイヤー」(2022)。ほかにも同じ作者による信楽壷が「リザードン」「キュウコン」「ロコン」「ヒトカゲ」と並んでいた。つまり、ほのおタイプでそろえてある。焼くから、なのか。
●会場は盛況だったが、時間帯を区切っての予約制なのでひどく混雑するようなことはなかった。空きがある場合のみ当日の窓口購入が可能だが、予約推奨。意外と簡単に予約が取れた。