●27日はサントリーホールで尾高忠明指揮読響。芥川也寸志の「交響管弦楽のための音楽」、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番(辻井伸行)と交響曲第5番。今年生誕100年を迎える芥川也寸志と没後50年のショスタコーヴィチを並べたプログラムで、ソ連つながりも含めて巧みなプログラミング。芥川也寸志の「交響管弦楽のための音楽」はパワフルかつスマート。改めて名曲だと実感。この曲って、本当に都会の人が書いた音楽だなーと感じる。なんというか、意気揚々としたなかにも含羞があるというか。うつむき加減ですたすたと早歩きしている感じとか。
●ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番では辻井伸行が入神のソロ。以前にも増して音楽が大きく重厚になっていると感じる。ソリストアンコールに得意のカプースチンで演奏会用エチュード第1曲「プレリュード」。ひりひりするような熱さ。この流れであればこの曲が来るだろうと思ったら、ちゃんと来た。
●後半、ショスタコーヴィチの交響曲第5番は快演。細部まで磨き上げられ、整然としつつ力感に富む。誇張的な表現がなく音楽の流れに無理がないのだが、それでも作品に込められた葛藤が十分に伝わってくる。終楽章のコーダには戦慄。カーテンコールをくりかえした後、マエストロはおやすみポーズをとって舞台に下がったが、少数のお客さんががんばって拍手を続けた結果、ソロ・カーテンコールに。残った人でスタンディングオベーション。
February 28, 2025