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March 4, 2025

新国立劇場 25/26シーズンラインアップ説明会

新国立劇場 記者発表 大野和士
●遡って2月26日、新国立劇場の25/26シーズンラインアップ説明会へ。大野和士オペラ芸術監督が登壇。新シーズンの新制作はベルクの「ヴォツェック」(リチャード・ジョーンズ演出)とリヒャルト・シュトラウスの「エレクトラ」(ヨハネス・エラート演出)の2本。指揮はいずれも大野和士だが、前者は都響、後者は東フィルがピットに入る。これはどちらも楽しみ。大野監督は「どちらも新国立劇場が世界で初めて上演する舞台」と胸を張る。現状、とくにどこかの劇場との共同制作とはうたわれていないのだが、今後、そうなる可能性が十分にあることが示唆されていた。「ヴォツェック」も「エレクトラ」も名作オペラのなかでは尖がった部類の作品ではあるが、大野監督も言っていたように長さは短いので、意外と近づきやすい作品でもある。どちらも1時間半~1時間50分程度、途中休憩なしなので、ふつうのコンサートよりも早く終わるくらい。
新国立劇場 記者発表 大野和士
●一方、レパートリー上演は「ラ・ボエーム」「オルフェオとエウリディーチェ」「こうもり」「リゴレット」「ドン・ジョヴァンニ」「椿姫」「愛の妙薬」「ウェルテル」。新制作とは対照的に柔らかめというか、トラディショナルなラインナップ。「オルフェオとエウリディーチェ」は勅使川原三郎の演出で、初演時にはカウンターテナーがオルフェオ役を歌っていたが、今回はアルト歌手のサラ・ミンガルドがオルフェオ役。だいぶ印象が変わるかもしれない。園田隆一郎が指揮。「リゴレット」の題名役はウラディーミル・ストヤノフ。「ウェルテル」の題名役はチャールズ・カストロノーヴォで、シャルロット役は脇園彩。
●新制作が2本しかないのは寂しいなと思い、そのあたりを質疑応答で尋ねたところ、コロナ禍による財政難で2年にわたり各部門とも1つずつ新制作を減らす措置をとっていたが、これでノルマを果たすことになるので、その次のシーズンからは3つに戻るそう。