●今週は代表ウィーク。20日、W杯アジア最終予選のニッポンvsバーレーン戦。テレビ中継を見る。ニッポンはこれに勝てばW杯出場が決定、他会場の試合結果次第では引き分けでも出場が決まる。ここまで同グループの他チームが勝点の奪い合いをするなかで、ニッポンだけが順調に勝ち点を積み上げて独走状態に入っている。かつてない余裕のある最終予選。
●が、試合が始まってみると、バーレーンが強い。すでにアウェイで5点獲って完勝している相手なのだが、ドラガン・タライッチ監督はそのときもしっかりとニッポン対策を取ってきていた。今回も同様で、序盤からバーレーンは強度の高いプレイ。プレスが厳しく効率的で、運動量も豊富。バーレーンがボールを持ち、日本が受ける形になってしまった。選手のコンディションもニッポンを上回っている。少しニッポンの選手たちはプレイが軽いというか、体がキレていないというか。まあ、欧州組ばかりになったので、ニッポン代表はホームゲームのたびに長距離移動になるわけだが……。
●ニッポンは今回も超攻撃的な布陣。3バック。GK:鈴木彩艶-瀬古歩夢、板倉滉、伊藤洋輝-MF:遠藤航、守田英正(→田中碧)-堂安律(→伊東純也)、久保建英、南野拓実(→鎌田大地)、三笘薫(→中村敬斗)-FW:上田綺世(→町野修斗)。ディフェンスはけが人が多い関係で顔ぶれが新鮮。伊藤洋輝はバイエルン・ミュンヘンでけがから復帰して試合に出ている模様。前半は3バックからボールの出しどころがなく、ビルドアップがうまくいかない。ロングボールで前線に出す場面も目立ったが、チャンスにならず。前半9分に遠藤の幻のゴール(VARで取消し)。膠着状態の前半は0対0。
●後半頭から守田に代わって田中碧。やはり守田はコンディションに難があったか。後半18分に鎌田が入ったあたりから、ボールがスムーズに回り出す。鎌田が下がって中盤を助けたことに加えて、相手のプレイ強度が落ちてきたことも大きかったと思う。後半21分、縦パスを受けて巧みにターンした上田が、久保にスルーパス、久保はフリーの鎌田に出し、鎌田がキーパーとの一対一を制して先制ゴール。中央突破から、おしゃれシュート。後半42分、ショートコーナーからのリターンをもらった久保がペナルティエリア内の浅い角度から、キーパーのニアをぶち抜いてゴール。だれもが中にクロスを入れると思った場面で、バーレーンのキーパーは体の重心をクロスに準備して傾けたところで、逆を取られた。これはすごいゴール。ニッポン 2-0 バーレーン。すんなりとワールドカップ出場が決まった。
●現在の最終予選の状況。最終予選なのにAからCまで3グループもあって、各グループ上位2チームが本大会出場権を獲得し、3位と4位は4次予選に進むことになっている。つまり便宜上最終予選とは呼んでいるけど、その先がある。本大会の参加国が32から48に増え、アジア枠は8に増えた。現在のニッポン代表が史上最強なのはまちがいないが、それはそれとして、かつてない広き門でもあるわけだ。「ドーハの悲劇」があった1994アメリカ大会ではアジア枠は2しかなかったのだから、大会自体が大きく変質している。
March 21, 2025