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April 14, 2025

東京・春・音楽祭 リッカルド・ムーティ指揮東京春祭オーケストラの「ローマの松」他

東京・春・音楽祭 リッカルド・ムーティ
●11日は東京文化会館で東京・春・音楽祭のリッカルド・ムーティ指揮東京春祭オーケストラ。イタリア音楽プログラムで、前半はオペラの管弦楽曲集。ヴェルディの「ナブッコ」序曲、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲、レオンカヴァッロの「道化師」間奏曲、ジョルダーノの「フェドーラ」間奏曲、プッチーニの「マノン・レスコー」間奏曲、ヴェルディの「運命の力」序曲。後半は珍しいカタラーニの「コンテンプラツィオーネ」(瞑想、っていうの?)、レスピーギの交響詩「ローマの松」。最初の一曲からビシッとムーティの音、というか、春祭オケの音がする。ヴィオラの刻みまで雄弁。すごくハイテンションな音が出てくる。メンバーも若返っていると思うのだが、いつも固有の音が出てくる不思議。ただ、今のムーティの音楽はかなり重くなっている。十八番、「運命の力」序曲はもちろんすばらしいのだが、抒情的な曲にいっそうの魅力を感じる。
●カタラーニの「コンテンプラツィオーネ」は発見。甘美なのだが、軽く鬱っぽいところがよい。「ローマの祭」は期待通りの音の饗宴で、ゴージャスなバンダを伴って文化会館の広大な空間に音が飽和しそうなくらいのスペクタクル。少し短めのプログラムだったが、完全に充足。喝采にこたえるムーティはオーケストラを称えながら満足げ。カーテンコールで、鈴木幸一実行委員長が大きな花束を持って袖から登場してムーティに手渡したのはびっくり。鈴木幸一氏とムーティの長年の交流から生まれた最高の成果が東京春祭オーケストラだろう。
●ムーティはとても83歳とは思えない姿勢のよさ。姿勢って大事だなと思った。指揮する際の腕の振りもしっかりしているし、くっと腰をかがめる姿勢とか、よくできるなと思う。あと、最後のソロカーテンコールで袖から小走りで出てきたんすよ。これにはさすがに客席がどよめいた。人類?