●今、映画館で上映中の「キング・コング」、こりゃ大変なことになってるっすね。「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督によるリメイクなんだけど、最初は食指が全然動かなかった。だって「キング・コング」なんだから、話はおもしろくもなんともない。しかしあまりに評判がいいので、映画館に行ってみて呆然。このCG、ありえない!
●「CGを駆使すればなんでも描ける」って簡単に言うけど、じゃあなんでも描けるならどんなスゴいものでも描けるかっていうと、そんなことはなくて、人口のものだからこそ人の想像力を超えるものは描けない。実写なら、たとえば南極の大自然を撮っていたらカメラがだれも想像もできなかったようなすばらしい光景をとらえたっていうことがありうるかもしれないが、CGじゃそうはいかないだろう。きっとクリエーターの想像力に依存する。
●で、「キング・コング」はその想像力の豊かさが尋常じゃなくて、「そんな光景、どうやって思いついたのか?」みたいな絵が次々と出てくる。一例を挙げると、ブロントザウルス(かな? 首の長い草食恐竜)の群れが、互いの巨体を擦らせながら狭い道をパニクって怒涛の勢いで走るシーン。狭いところを無理やり爆走するから恐竜たちが将棋倒しになる(笑)。そんなCGを描こうってどうやって思いついたんだろ。カーブが急なところなんか、外側を走ってるブロントザウルスが遠心力に負けて崖からゴロゴロ落ちていくんすよ。どこかで見たのか、それっ!的な深い感動あり、いたるところで。
●恒例、DHCのFROM 40にて「オトナのためのクラシック音楽入門」第12回掲載中。今回もまた見てね。フンガフッガ!
January 13, 2006