●だらだらと「正直じゃいけん」(町田康著/角川春樹事務所)を読む。相変わらずの脱力ぶりで大変に笑える……が。以前だったら「町田康は小説もおもしろいけど、やっぱりエッセイのほうがいいよねえ~」くらいに思っていられたのが、あの「告白」を読んでしまって以来、同じようには笑えなくなった。「告白」は「人はなにを考えどう生きるのか」っていうテーマに真正面から切り込んだ大傑作だった。畢生の大作となってもおかしくないような小説で、あんなの書いちゃったらこの後はどうするのだって感じた人も多いはず。
●で、エッセイのほうを読んだら、また「こんなパンク歌手になりさがってしもうた」みたいなダメネタやら貧乏ネタが待ち構えていた。でも小説家として芥川賞やら川端康成文学賞やら谷崎潤一郎賞やら受賞しまくっておいてその設定は無理があるんじゃないかとか思うぞ、フツー。
Books: 2006年3月アーカイブ
March 17, 2006