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Books: 2007年5月アーカイブ

May 9, 2007

オレもサッカー「海外組」になるんだ!!! (吉崎エイジーニョ著)

オレもサッカー「海外組」になるんだ!!! ●ブログ連載中から猛烈に注目していた企画が単行本化。吉崎エイジーニョ著「オレもサッカー「海外組」になるんだ!!!」。これ、ホントにおもしろい。サッカージャーナリストの吉崎エイジーニョ氏が、ヨーロッパサッカーを肌で感じよう、海外組ってのを実体験しようってことで、ドイツに渡って10部リーグに移籍する(笑)という体験記。実際、ドイツの10部に所属してプレイしちゃうんすよ。もちろんアマチュア。いくらドイツと言っても、10部とか11部とかいうのは草サッカー。腹の出た地元のフツーのオッサンもプレイする。だけどそこにあるフットボール環境は、日本とは天と地ほど違うってのがわかる。
●まず10部とか11部とかまでクラブが存在するってのが驚異。地域によっては14部まであるらしい。これらのクラブに「シーズン」があって、「リーグ戦」がある。11部にも昇格争いや降格争いがある! 理論上、ずっと勝ちあがっていけば1部のブンデスリーガまでつながるわけだ。
●あと10部とか11部でも試合は90分というのもスゴい。腹の出たオッサンがやるようなサッカーであっても90分。もう年だから20分ごとに休憩入れようよ、って話にはならない。ワタシなんか30歳の時点でもうキックオフしてから10分経ったらベンチの椅子が恋しくなったのにさー(笑)。
●それからチームにはちゃんと「監督がいる」というのも感動。日本だったら学校サッカーとか競技サッカーやってれば監督がいても当然だろうけど、草サッカーじゃ監督の下でプレイするって体験自体なかなか得がたい。たとえばクラブの1軍が9部、2軍が10部、3軍が11部とかに所属しているとしたら、それぞれに監督がいて、出場選手を決めたり選手交代したりする。監督だって仕事を持ってるだろうから、なかなかできることじゃない。草の根レベルでのサッカーにかかわる人々の数や情熱が圧倒的に違うんだなと。
●で、そんなドイツで吉崎エイジーニョ氏は言葉の壁や文化の壁にぶつかりながら、悪戦苦闘しながらボールを蹴る。最初に入ったクラブで、自分はそこそこプレイできてるはずなのに試合にまったく使ってもらえないという状況に遭遇し、移籍を考える。それってイタリアとかイングランドに渡ったJリーガーとぜんぜん違わない(笑)。そしてサッカー本でありながら、ダメ男(←ホントはそんなことないと思うんだけど)の成長の物語になっているところがすばらしい。笑えるのに、勇気がわいてくる、みたいな。いやマジで。

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