●アダム・フィッシャーが指揮したハイドンの交響曲全集超激安BOX(Brilliant Classics)って、いつ頃発売されたんだっけ? これを1番から104番まで順に聴いていこうと思ったもんだから大変である。全部で33枚組、くらい。律儀に番号の若い順に聴いていったのだが、やっと第70番まで来た。2年くらいかけて。しかも全然ちゃんとなんか聴いてなくて、聴いたっていうより流してただけみたいなのもあって、でもしょうがないよな、67番と68番の違いとか言われても、そんなに違いはないもん。そりゃ30番と60番は違うだろうし、60番と100番はムチャクチャに違うが、67番と68番なんて、ちょっとキーが違うくらいのもんだろう(おいおい)。
●っていうか、70番までたどりついた今、20番やら30番がどうだったかなんて、一切覚えちゃいない。偉いよね、アダム・フィッシャーとオリジナル発売元のニンバス・レーベルは。全部録音するのに20年くらいかけていたような気がするんだけど、うっかりまちがえて同じ曲を2回録音したとか、録音し忘れた曲とかなかったんだろか。あ、ワタシのこの全集には、うっかりまちがえてだと思うけど、同じCDが2枚入ってたりしたですよ(←買って2年くらい経ってから気づく)。(09/29)
Disc: 2003年9月アーカイブ
ハイドンの交響曲全集
「グレン・グールド 27歳の記憶」
●はうう。堪能した。BSで放映していた「グレン・グールド 27歳の記憶」、はるか昔の十数年前に一度見たきりになっていたのだが、また観ることができてよかった。昔、LDでは「オン・ザ・レコード/オフ・ザ・レコード」という原題のままで出ていたと思うのだが、今は「27歳の記憶」でDVD化されている(→これね)。
●で、ピアノの前でグルグル頭部を回転させながら、歌いつつ、そして片手が空けばもう一方の手を指揮して、憑依状態で弾くグレン・グールドっつう原型が、この映像にあったことを思い出した。バッハのイタリア協奏曲第2楽章のあまりに有名なレコーディング風景っすね。ニューヨークのスタインウェイでピアノを試弾する場面も思い出したし、「ウェーベルンがシャイな音楽? シャイな音楽ってのはこれだよ!」といってシューベルトの交響曲第5番を弾くのも思い出した。なんか、ワタシの頭では後半からカラー映像になる気がしてたんだけど、全部モノクロなんすね。時間も1時間しかない。でもこれは絶対に観ておいたほうがいい。
●で、個々の場面を見るとたちまちに自分の記憶が鮮明に甦ってくるのだが、一つ、ワタシはきわめて重要なポイントを忘れていたようだ。これは、ワタシが(そしてたぶん多くの人が)最初にこのドキュメンタリーに圧倒された理由でもある。すなわち、ここにいるグレン・グールドはまだ27歳の若者だってこと。グールドだけど未グールド。映像がたくさん残っているから、晩年のグールドがすぐに頭に浮かんじゃうんだけど、ここにいるのは「カッコよすぎる変人で天才な若者」なんすよ。だから若い頃に見ると、もうインパクト強烈で絶対に忘れられない。
●ちなみにワタシらはもうグールドが何歳までどんなふうに生きて、そして死んだか、このドキュメンタリーの登場人物のだれも知らない未来を知っている。だから、ますますこの映像が感慨深い。(09/19)
ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番
●たぶん10年ぶりくらいにブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を聴いた。五嶋みどりの新譜が出てて、しかも伴奏がベルリン・フィルだからっていう理由があったんだけど、もうひとつ、どこかでイギリス人の好きなクラシック音楽ベストなんとかみたいな企画で1位に挙がっていたのを見かけたから。へー。日本じゃ絶対ベスト100にも入らないぞ、この曲。
●なんか、ブルッフとかってもうカッコ悪くないっすかー、もっさりしててー、なんつうのは久しく聴いてないせいで捏造された記憶、もう聴き出したら止まらない。毎日のように聴く。こういうボリューム感のあるロマンティックな曲のほうがホントは癒し系(死語としたい)だったんじゃないの。ちょっと腹の立つことがあったり、疲れたりしてると、無性にこの曲を聴きたくなるんすけど。ああ、10年聴かなかった甲斐があったー(←屈折した自己矛盾的名曲愛の典型)。
●カプリングがメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で、こっちは日本人的には超超超有名曲っすよね。ワタシはあまり好きじゃない。メンデルスゾーンだったら、これよりもずっとカッコいい曲が少なくとも10曲はあると思っている。イチ推しは交響曲第5番「宗教改革」だな。えっ、それこそカッコ悪いって? うーん、冴えた曲だと思うがなあ。(09/09)