●さて、一昨日までサリエリ話の続きである(その1、その2)。ここまでに付されているトラックバック元の各記事も合わせて読んでいただけると幸い。
●評伝「サリエーリ モーツァルトに消された宮廷楽長」(水谷彰良著/音楽之友社)を堪能した後、次はもちろんサリエリの音楽そのものを聴きたくなる。録音は少なくない。特に最近の大きな話題としては、チェチーリア・バルトリのアリア集 The Salieri Album がある(リンク先のamazonでちょっぴり試聴可能)。フツーに演奏の質を考えれば、これをまず聴くのがよさそうなものだが、しかし待て、オペラ作曲家なのだから、やはりオペラ全曲盤を先に聴きたいではないか。グルックに理想像を見ていたというサリエリのオペラはどのようなものなのか。
●で、まず頭に浮かんだのは、先日ご紹介した若き日のベルリオーズ激賞の「ダナオスの娘たち」。EMIにジェルメッティの録音があるらしい……。が、ちょっと入手までに時間がかかりそうなのと、録音がこれしかないという点で、現代での評価はそれほど高くはないことがうかがえて、一番手ではないと判断。で、あれこれと悩んだ末に、写真のオペラ「ファルスタッフ」(Chandos)をamazonに発注した。指揮はアルベルト・ヴェロネージ。CDおよびDVDのサリエリ録音を品薄のものも含めて調べてみると、録音回数では「ファルスタッフ」がもっとも多いようである。別レーベルにマルゴワール指揮の録音もあってかなりそそられたのだが、入手までに時間がかかるのが難点。こういうのは自分の中で関心が高まっているときに聴けないと、楽しさが半減する。
●ちなみにトラックバックしてくださった擬藤岡屋日記のPrima la musica, poi le parole (dopo le parole) ~ その2 にて、まさしく上記の「ファルスタッフ」が薦められているではないか。CDの到着がますます楽しみになってきた。聴くしか。忘れ去られた名曲だろうが、思い出された駄曲であろうが、ワタシは大歓迎である。
Disc: 2004年4月アーカイブ
April 3, 2004