●ヴィヴァルディ「四季」のDVDが近日発売。演奏はあのイル・ジャルディーノ・アルモニコである。といってもイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏シーンを延々と映しただけのDVDではない(それはそれでおもしろかったろうけど)。春夏秋冬のそれぞれの冒頭にチラッとだけ演奏者たちが顔を出すのであって、メインの映像はヴェネツィアの四季の風景。ヴィヴァルディといえばヴェネツィア。もちろんこれは現代のヴェネツィアであって、作曲者がソネットに描いたような四季の風物詩はどこにもなく、むしろ視点はツーリストのそれ。つまりパッと見たところ名曲アルバムなんかとそう違わないのだが、唯一決定的な違いは、演奏がイル・ジャルディーノ・アルモニコってこと。映像よりはるかに雄弁でアグレッシヴな音楽が背景で鳴っているんである。わかる人にはわかるこのアンバランスさにウケていただきたい。あ、解説原稿はワタシが書いています。営業してスマソ。
●ところでイル・ジャルディーノ・アルモニコといえば、ソロ・ヴァイオリンはエンリコ・オノフリ氏である。今年のラ・フォル・ジュルネ・ジャポンでディヴィノ・ソスピロを率いて強烈な演奏を聴かせてくれた(→公式ブログ写真)。ワタシはこのDVDの演奏場面でオノフリ氏の姿を探したのであるが、最初見つけられなかったのである。えっ、なにをいうか、そんなのいちばん左でヴァイオリンを弾いている男に決まっているだろうが、とあなたは思うかもしれない。だがなー。演奏は1994年。その男性がこういうお顔であったわけで、ワタシはにわかに同一人物とは認識できなかった。ふと頭に浮かんだ言葉。使用前、使用後。でも使用ってなにを?
Disc: 2006年10月アーカイブ
October 20, 2006
DVD ヴィヴァルディ「四季」 イル・ジャルディーノ・アルモニコ
October 18, 2006
モーツァルト:2台ピアノのためのソナタ
●昨日テレビドラマの中でモーツァルトの2台ピアノのためのソナタ ニ長調をチラッと聴いたわけだが、やっぱりこの曲はすばらしいっすね。この曲だっけ、一頃「聴くと頭が良くなる」とかなんとか言われてたのは。あ、違ったっけ? 畑のマンドラゴラに聴かせるとよく叫ぶようになるんだっけか。ニョロニョロに聴かせると増殖する? いや、ハブに聴かせるとマングースに勝てるようになるんだったかな。ま、それくらい効用があるとされている名曲であるわけだが、効用なんて一つもなくたって名曲は名曲である。故郷ザルツブルクからウィーンに出てきたモーツァルトが、ピアノのお弟子さんアウエルンハンマー嬢と共演するために作曲。ヴォルフガング、なにも言わなくたってキミの想いはわかるから、これ聴けば。写真はプレヴィンとラローチャの共演による一枚。「のだめ」関連で迷い込んだ方は、amazonの該当ページでトラック4を試聴すると千秋とのだめが共演してた曲が聴けます、しかもいちばん盛り上がる部分を。
●この第1楽章くらいハッピーな気分に満ちあふれた曲はほかに思いつかない(あ、もう1曲あるか。ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲も自分脳内でこの曲と同ポジションに置かれている気がする)。躍動感、高揚感、許されるギリギリの陶酔感。こんな曲を作れるのは神に愛された天才だけ。無心になってこの曲を聴くと、ハッピーな気分になれる。そう、たとえるならマングースに完勝したハブの気分に。