●感染してしまった、ヴァヴァルディの222に。もう一ヶ月以上前になると思うんだけど、カルミニョーラとヴェニス・バロック・オーケストラのコンサートを聴いたんすよ、この欄でも書いたけど。で、その公演でアンコールで弾かれたヴィヴァルディの知らない曲というのがあって、これが凄まじい破壊力を有した曲で、一度耳にしたらもう忘れられない。何だ?この未知なる曲は。っていうと、どれだけステキなメロディなのかと思われるかもしれないんだが、そうじゃない。もうあまりにも楽しくてバカっぽいから、「脳内ぐるぐるメロディ」に定着して頭から離れないんである。演奏会が終ってからずーっとメロディがこびりついてて、逃れられなくなる、何日でも何週間でも。
●その曲がヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ニ長調RV222という曲で、しょうがない、こうなったらCDを買うしかない。毒をもって毒を制する作戦でゲットした、「ヴィヴァルディ:後期ヴァイオリン協奏曲」。あー、これだこの第3楽章だ。amazonの試聴リンクでも聞けるけど、こんな感じの曲で、頭の中でループになる。CDだと微妙に行儀が良いけど、実演ではさらに弾けていた。この曲、これから広まるんじゃないかなあ。こんなに感染力が高いんだし。
●ゾンビ、いるでしょ(いや、いないか)。ダニー・ボイル監督の映画「28日後……」だったかな、ゾンビから逃げるオヤジと娘がいるんすよ。で、なんか頭上でカラスが死体をついばんでいたりして、オヤジが「クソ」とか言ってその辺を蹴っ飛ばしてカラスを追い払うんだけど、そのとき死体からポタリと血液が落ちて、それがオヤジの目に入っちゃう。これでもうダメだから。ゾンビに咬まれたらゾンビになる、そしてゾンビの血が体内に入っただけでもゾンビになる、数十秒で確実にゾンビになる。もうこのオヤジがかわいそうで、これ記憶だから細部は違うかもしれないけど、オヤジは娘に向かって「アイ・ラブ・ユー」って言って、でもすぐに「オレを撃て」だか「逃げろ」とか、ゾンビ化しつつあるなかで最後にわずかに残された理性を振り絞って言うわけ。ゾンビになったら即座に娘を食っちゃうから。たった一滴の血液なのにね、ひどいね、恐ろしいね、ゾンビ。
●で、それくらいの感染力がある、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ニ長調RV222には。たとえるならゾンビというほどゾンビ並、すなわち最強にして最凶であり最高。
Disc: 2008年12月アーカイブ
December 11, 2008