Disc: 2013年4月アーカイブ

April 12, 2013

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック●「『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック」という長い名前のCDがユニバーサルクラシックよりリリースされる。以前当欄でもご紹介した村上春樹と小澤征爾の対談集「小澤征爾さんと、音楽について話をする」は、二人がとてもオープンに話していて抜群におもしろかったのだが、そこで二人が語り合っている音源がCDにまとめられた。これ、本が出たときにいっしょにリリースされたらむちゃくちゃおもしろかったんじゃないかと思うけど、でも今からでも遅くはない。ちょうど村上春樹の長い名前の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が発売されたタイミングでのリリース。
●ライナーノーツを村上春樹本人が書いている。スゴい。よく原稿書いてもらえたなあ。きっとおもしろいにちがいない。目を引くのはCD1枚目の1曲目。グールドとバーンスタインが共演したブラームスのピアノ協奏曲第1番が入っている。有名なバーンスタインのスピーチが入っている録音だが、これはもともとソニークラシカルからリリースされていた1962年のライブ音源。なるほど……。時代は変わるのだなあ。

April 2, 2013

ベートーヴェン~リスト「田園」

●拙ナビでお送りする新潟県のFM PORT「クラシックホワイエ」(毎週土曜23時~24時)、前回30日放送分は「ピアノで聴く田園交響曲」がテーマだった。1時間枠といっても、純粋に音楽に使える時間は正味45分程度。もともとピアノでオーケストラ曲を聴くという趣旨の回を予定していたんだけど、ベートーヴェン~リスト編「田園」なら一曲まるごと流せることに気がついて、3人のピアニストのリレー方式で紹介することにした。45分ただ音楽を流してしまうと、一般のラジオリスナーにはついてきてもらえない恐れがあるが、これなら楽章間でトークをさしはさめる。
グールドのベートーヴェン&リスト「田園」●第1楽章はグレン・グールド。このなかでは唯一名前を知られたピアニストであり他に選択肢はない。グールドらしいのは極端にテンポの遅い第2楽章だが、気が遠くなるほど遅く、こっちを選ぶと45分どころでは済まなくなる。
ユーリ・マルティノフのベートーヴェン&リスト「田園」●第2楽章はごく最近の録音でロシアのユーリ・マルティノフ。1837年製エラール使用。Zig-Zagから6番「田園」&2番のカップリングでリリースされている。リンク先はmp3だが、日本語解説付きの国内盤仕様でもリリースされている、らしい。
アシュリー・ウェイスのベートーヴェン&リスト「田園」●第3楽章から第5楽章まではイギリスのアシュリー・ウェイス。Orchid Classicsからリリース。ディケンズが「大いなる遺産」の舞台のモデルにしたとかというお屋敷、ロチェスターのレストレーション・ハウスにあるフォルテピアノ(Girikowsky)を弾いている。プロモーション映像 Ashley Wass at Restoration House がよくできていて、第2楽章の鳥のさえずりや第4楽章の嵐など、気になる部分をピックアップして聴かせてくれる。ノリノリで楽しく、思わず笑ってしまう。殺風景なスタジオを連想させるグールドでスタートして、現実離れした豪勢な場所で弾くウェイスで終わるという趣向。リスナーの方がどれかを気に入ってmp3なりCDをゲットしてくれると吉。

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