●24日はアンスティチュ・フランセ東京(つまり旧日仏学院)で、ワーナー・クラシックス・コンベンション。旧EMI系レーベルを統合して以来、活発なリリースが続いているワーナー・クラシックスの今後のリリースを紹介するイベントで、ワーナー・クラシックス&エラートのプレジデントであるアラン・ランスロン、エグゼクティブVPでインターナショナルA&R/ビジネス・ディヴェロップメントを担当するジャン=フィリップ・ロラン、シニアVPでグローバル・マーケティング&プロモーションを担当するマークス・ペーターゼンの三氏が登壇。
●まずはERATOからは先日リリースされたジョイス・ディドナートの「ライヴ・アット・ウィグモア・ホール」(パッパーノがピアノ伴奏を務めている)や、ナタリー・デセイとフィリップ・カサールのコンビによる「フランス歌曲集~気まぐれな婚約」他が紹介された。「気まぐれな婚約」はデセイとカサールが新郎新婦に扮したジャケットがお茶目。タイトル数が多いので、個人的に気になったところを今後の予定から挙げると、LFJで新鋭チェリストとして脚光を浴びたエドガー・モローが「ジョヴィンチェロ~バロック協奏曲集」と「PLAY~チェロ小品集」の2タイトルを12月に同時リリース。まもなく首席指揮者としてN響定期に登場するパーヴォ・ヤルヴィは、パリ管弦楽団とラフマニノフの交響曲第3番他(10月)。アレクサンドル・タローによるバッハのゴルトベルク変奏曲も楽しみ(10月)。
●Warner Classicsからは、パッパーノ指揮サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、カウフマン、ハルテロスによるヴェルディ「アイーダ」全曲盤がビッグタイトル。今どき珍しいスタジオ録音によるオペラ全曲盤。ヴィルデ・フラングはジェイムズ・ガフィガン指揮フランクフルト放送交響楽団とのブリテンおよびコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲(2016年1月)。他に本格的に録音活動を再開したというチョン・キョンファのバッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲(2016年秋)など。
●ここでは触れない分も含めて全体に対する印象としては、新しいアーティストが求められているんだなということと、それぞれのドメスティックな市場を意識したタイトルが多いなということ、イム・ドンヒョクやコンラッド・タオといったアジア系アーティストがいくぶん目立つかな、といったところ。「アイーダ」なんかの華々しさは例外的で、演奏会形式上演に並行したものとはいえ、よくこんな大型企画が実現したなと思う。
Disc: 2015年9月アーカイブ
September 25, 2015