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Disc: 2015年10月アーカイブ

October 29, 2015

Google Play Music vs Apple Music

●しばらく前からGoogle Play Musicを使いはじめた。いわゆる定額制音楽配信サービスだが、現時点でGoogle Play MusicとApple Music、さらに Naxos Music Libraryの3つの種類を併用していることになる。Naxos Music Libraryは他の2種とは違った利用価値があるので別枠と考えるとして(曲名や演奏家名が日本語化されていることや、検索時における同曲異演の一覧性等)、Google Play MusicとApple Musicは使い分ける明確な理由もなさそうなので、どちらか一方に絞りたいところ。で、どっちにするか。しばらく意識的に両方を使ってみて感じたところを挙げておく。あくまでクラシックの音源をストリーミングで聴くという前提で。
●その1:音源の数。どちらもほぼ同じレーベルと契約しているようで、気にするほどの違いはなさそうだが、検索するとおおむねApple Musicのほうがたくさんヒットする。ただし、必ずしもApple Musicのほうが音源が豊富とはいえない面もあって、Apple Musicはいろんなコンピレーションとかもあれこれ並ぶのに対して、Google Play Musicはそういったタイトルを弾いているようにも見える。微妙。
●その2:アプリケーション。Windowsのデスクトップ機での利用を前提としていえば、Apple MusicはiTunesを起動しなければいけない。Google Play MusicはChrome ブラウザで動く。デザインはApple Musicのほうが美しい。Google Play MusicはスマホアプリをPCで使っているような感触で、画面がカッコよくない。Apple Musicの難としては、iTunesがときどき挙動不審になるところ(ウチではなんどかフリーズした。バージョンアップで解決しているだろうか?)。全般としては、どちらもあまりできがよくないなという印象。痛み分け。
●その3:必要な情報の表示。Google Play Musicが偉いのは、クラシックのアルバムを表示させると、ちゃんと「作曲者」のフィールドが表示されるところ。Apple Musicにはこれがない。一枚のアルバムに複数の作曲家による小品がたくさん入っているときなどは、Apple Musicで聴くとなにがなんだがわからなくなる。まあ、もともとクラシックのアルバムに関してはメタデータがどうしようもないのだが、それはGoogleやAppleの責任ではないしなあ……。
●というわけで、現時点ではどっちがいいのか、判断が付かない。実用性という点ではその3でGoogle Play Musicがリードしているんだけど、画面が美しくないのがどうにも。もうしばらく両方を使い続けてみるか?

October 21, 2015

グラモフォン誌のYoung Artist of the Yearにヨーゼフ・モーグ

●しばらく前にグラモフォン誌が「グラモフォン・アワード 2015」を発表したが、目を引いたのはYoung Artist of the Yearにピアニストのヨーゼフ・モーグが選ばれていたこと。この人、本当なら2014年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで脚光を浴びるはずだったのだが、惜しくも直前で来日中止になってしまった。この年は東京に先んじてナントのLFJを取材していて、ワタシも含めて取材陣の間で評判になっていたのがヨーゼフ・モーグ。ラフマニノフの協奏曲第3番やアール・ワイルド編曲のガーシュイン他を弾いていた。インタビューでもっとも情熱を注ぐ作曲家として名前を挙げたのはスクリャービン。即興演奏が得意とも。東京での音楽祭では事前紹介もしっかりされていただけに、来日中止が発表された際にはがっかり。写真のディスクはOnyxレーベルでリリースされているグリーグとモシュコフスキのピアノ協奏曲集。モシュコフスキが新鮮。楽しい。
●LFJで最初に聴いた若手アーティストが、その何年後かにもっと注目度の高い舞台に帰ってくるというパターンはこれまでになんどもある。指揮のグザヴィエ・ロトとかファンホ・メナ(=フアン・ホセ・メナ)とか、ピアノのベルトラン・シャマユとか。指揮のふたりはともにベルリン・フィルから招かれているし、シャマユはEratoレーベルの主要アーティストになった。ヨーゼフ・モーグもそれに準じるパターンといっていいかも。このあたりのルネ・マルタンの打率(?)には脱帽するしか。

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