●なんとなくすでに連休モードに入ったような気配も感じられるが、暦通りだと明日から5連休。東京はLFJが4日から6日までの開催なので、前後にお休みが一日あるという珍しいパターン。
●LFJ関連で少し予習しておきたいことがあってNaxos Music Libraryにアクセスしたら、たまたまアルベニスのオペラ「マーリン」の録音を見つけた。DECCAの録音でプラシド・ドミンゴほかのキャスト、ホセ・デ・エウゼビオ指揮マドリード交響楽団の演奏。えっ、こんな録音がデッカにあったんだ。っていうか、こんな作品がアルベニスにあったとは。アルベニスといえばなんといっても組曲「イベリア」。ピアノ曲の作曲家だという印象が強かったが、実はいくつもオペラを書いていた模様。で、この「マーリン」だが、ググってみるとやはり大魔術師マーリンのことなんだとか。台本の日本語訳があるなら読んでみたいが、まあ、ないか。
●ちらっと聴いてみると、「イベリア」と同一人物の作品とは思えないくらい手触りは違っていて、かなりのところワーグナー風。土台として潔いくらいに堂々とワーグナーがあって、そこにドビュッシーというか印象主義風味少々で、ところどころスペインの香りが漂ってくるような不思議テイスト。作曲は1902年のようで、「マーリン」「ランスロット」「ギネヴィア」からなる「アーサー王伝説」三部作の一作として構想されるも計画は頓挫してしまい、結局「マーリン」が完全な舞台上演として初演されたのは2003年になってからなんだとか。このドミンゴが歌ってる録音は1999年なので、録音のほうが舞台初演より先に実現したオペラということになる。台本は英語。
●三部作のオペラということだけでもワーグナー的というか「指環」を思わずにはいられないが、この「マーリン」は冒頭からして「ラインの黄金」インスパイアドって感じがありあり。こんなにアルベニスがワグネリアンだったとは。アーサー王伝説という題材もワーグナーとつながっている。整理しておくと、アーサー王のおかかえ魔術師がマーリンで、円卓の騎士にランスロットやトリスタン、パーシヴァル(パルジファル)がいて、パーシヴァルの息子がローエングリン(で、いいんだっけ)。もしアルベニスの三部作が完成していたら、ワーグナーと並んで人気を博していたかも。
--------
●当ブログの更新スケジュールは暦通りで。次回は8日の予定。
Disc: 2017年5月アーカイブ
May 2, 2017