●最近のクラシックのアルバム・ジャケットはアーティスト写真がそのまま載ったような退屈なビジュアルばかり……とお嘆きの方を元気づけてくれそうな新譜がこちら。ワーナーからリリースされたバッハのゴルトベルク変奏曲なのであるが、強烈だ。こいつはぐっと来るぜー。
●ジャケットだけじゃなくて、アーティスト名もインパクト大。ピアニストの名前はジ。一文字だけ。欧文表記だとJi。対検索エンジン的に不利になりそうな名前だが、韓国生まれでアメリカに学んだ売り出し中の若手。ブニアティシヴィリとかアンデルシェフスキといった難しい名前が覚えられない人も大丈夫。ジ。10回繰り返さなくても覚えられる! 演奏的には相当な暴れん坊バッハの予感。
●それにしてもジは短い。短い名前つながりでヨーヨー・マとデュオを組んでみてはどうか。マとジのふたりでマジと読みます、みたいな。
Disc: 2018年1月アーカイブ
ジ Ji
「スターウォーズ/最後のジェダイ」のオリジナル・サウンドトラック
●「スターウォーズ/最後のジェダイ」、映画本編の感想は先日書いた通りなのだが、今回は映画を見る前にオリジナル・サウンドトラックをCDで購入した。音楽を聴くだけならApple Music等の有料ストリーミング配信で聴けばいいのだが、「映画を楽しむ」というイベント気分を盛り上げるにはまだまだ物理ディスクは有効だ。なんといっても、手で触れるし。それに「スターウォーズ」シリーズそのものが懐古趣味と隣り合わせなので、やはり紙のブックレットが欲しくなる。映画本編からの写真が何点も掲載されていて、写真のチョイスにも納得感あり。映画を見終わった後、ジョン・ウィリアムズの音楽を流しながらブックレットを開いて、「ああ、この場面はあれがああでこうしたんだよなー」と余韻に浸るためのお土産として満足。
●輸入盤のジャケットは上にあるようにシンプルなロゴのみのデザインになっている。国内盤だとドーンと主要キャラクターたちの絵柄が載っていて、初回特典としてステッカーなどのオマケが付く。どちらがいいかは好みの問題ではあるけど、自分は輸入盤のように宇宙空間背景で中央に大きくSTAR WARSロゴが入っているほうが気持ちが高まる。
●で、オーケストラだが、以前は「スター・ウォーズ」といえばロンドン交響楽団だったのだが、前作から事情が変わった。特にオーケストラの名前は記載されず、代わりにメンバー表が載っている。つまりハリウッドのスタジオ・オーケストラということになるかと思うのだが、何人かの名前をググってみると、それぞれのメンバーがどういう人たちか、ある程度はわかる。1番ホルンはLAフィル首席のアンドリュー・ベイン。コンサートマスターはロングビーチ交響楽団で長年コンサートマスターを務めるロジャー・ウィルキーという人。第2ヴァイオリンのトップはLA室内オーケストラ所属、1番オーボエはオレンジ郡のパシフィック交響楽団首席奏者、といったように近隣オーケストラに所属する人たちがいる一方、大活躍の1番トランペットは主に映画やテレビで活躍するレコーディング・アーティストのようで、人材の豊富さを感じさせる。こういったことも簡単にわかる時代になった。