News: 2005年2月アーカイブ

February 24, 2005

コンサートでいつ拍手するか

全然拍手しない人もいるよね「おかか1968」ダイアリーで紹介されている、演奏会の拍手を巡る議論がおもしろい(ここから)。読むが吉。今、クラシックの演奏会では楽章間での拍手は原則マナー違反、全曲が終わってから手を叩くのが常識である。しかしこのルールは意外と最近できたものだという。孫引きで恐縮だが、ピエール・モントゥーの「世界中で楽章間の拍手を手控える傾向にあるのは残念です。この習慣がいつどこから始まったのかはわかりませんが、これは作曲者の意思にそぐわないと思います」という発言(1959年)は示唆的だ。楽器や演奏様式については「オーセンティック」であることの価値は認められている一方、「拍手」のようなコンサートのスタイルは別なんだろうか。
●東京での最近の傾向としては、拍手は楽章間はもちろん、全曲が終わったあとも数秒間は控えるのが良いとされているように感じる。どちらかというと不寛容な雰囲気なんである。たとえば「事件」といってもいいくらいの熱演があって、楽章間の拍手が起きるんだったら、これはむしろ洗練されているというかオッケー。でもうっかりした拍手だとマナー違反者の烙印を無言のうちに押されてしまうことは確実。
●どっちがいい? 正直、ワタシは「楽章間で拍手をしない」ほうが好きだ。曲の流れが途切れなくてすむし、そうたびたび拍手が入ってしまっては演奏会全体の進行が悪くなる(せっかちだなあ)。する人としない人がいて、疎らな拍手が起きるのは、気分的にも盛り上がらない。ただ、すでにコンサート会場は必要以上に不寛容な場になっており、新たな聴衆を遠ざけているように感じるので、「楽しい曲」や「元気な曲」(笑)のときはもっと楽章間で拍手してもいいのかもしれない。「悲愴」のマーチの後で拍手をガマンするのは、人間の生理に反している気もする。
●あ、もうひとつ、楽章間の拍手の効用を思いついた。演奏会で睡魔に負けそうなときに役に立つ(笑)。

February 22, 2005

ブリュッヘン指揮新日フィル、ほぼ18世紀管

●今、ブリュッヘンが来日している。新日本フィルの定期演奏会に登場。ワタシは彼のファンなので先週末に聴いてきた。ラモー/「ナイス」序曲&シャコンヌ、モーツァルト/交響曲第31番「パリ」、シューマン/交響曲第2番という魅力的なプログラム。前半のラモーとモーツァルトは「ほぼ18世紀オーケストラ」だった。両曲とも18世紀オーケストラとの録音があって好んで聴いているのだが、一瞬目の前で演奏するのが18世紀オーケストラではないかと錯覚してしまった。それくらい頭から尻尾まで鮮明にブリュッヘン印。長身痩躯、若いころから猫背だった巨匠は、自然の摂理に従って今や座って指揮するくらいに老いてしまっているのだが、全身から発散されるオーラの強さは以前と変わらない。
●古楽系の指揮者とはいっても、実際にブリュッヘンが指揮しているのはラモーを別とすればほとんどがバッハ以降、特に古典派に集中している(リコーダー奏者としては別)。なので、ワタシの認識ではブリュッヘンは「ウィーン古典派を得意とする巨匠指揮者」である。リコーダー奏者時代をリアルタイムで聴いていないので、ますますそう思ってしまう。
●あー、ラモー、ホント最高っすよ、といってもこのプログラムはもう終わっていて、あとは25日(金)にサントリーホールでシューベルトの「未完成」&「グレイト」の公演がある(→公式サイト案内)、と勝手に告知。

February 12, 2005

せめて古雑誌は捨てれ

●先週のこのニュースはインパクトがあった。六畳間の床が抜け男性落下、けが/東京・目白のアパート。床が抜けるほどの古雑誌とはいったい何の雑誌なのか、激しく気になる。反射的に「ん、レコ芸?」とか思ったりする(←なんでだよ)。しかし床が抜けるほどの本だの雑誌だのレコードだのっては、ヲタ魂に訴えかけてくるもの大ありなのだが、やはり床が抜けちゃマズい。書籍とかレコードはしょうがないが、せめて雑誌は捨てたほうがいいんじゃないか。
本棚に隙間があると落ち着かない●しかし本棚とかCD棚に隙間があると、どうしてこうもモノで埋めたくなるのであろうか。深い本棚があったら、後列と前列の2段構えにしてさらに前列上隙間に横に本を並べるとか、CD棚のCDと棚板が作る薄い隙間にやはり横にしたCDを詰め込むとか。ああ、なんて気持ちいいんだろう、このピッタリ感。もっと詰め込みたいぜ(悪)。

February 4, 2005

脳内ぐるぐるメロディ脱出策

●「ずーっと頭の中で鳴り続ける気になるメロディ」ってヤツにやられてしまうことがあって、これがあまりにも激しくループしだすと、日中ぼんやりしすぎてしまって社会生活が営めなくなるのは問題。これに対抗するためには、徹底的にリアルでその曲を耳にして味わい尽くすってのがベストであり、ここ数日、ワタシは毎晩プロコフィエフの「シンデレラ」を聴いていたんである。頭の中を占有しているのは、2幕の終わりと3幕にもちょっと出てくるワルツ風の曲で、「シンデレラの出発」という舞踏会のテーマみたいなんである。これ、なんかテレビのCMとかで使われてなかったっけ? ああ、名曲だよなあ。全曲流してダラダラ聴いてても「シンデレラ」は「ロメオとジュリエット」に負けないくらい名曲名旋律そろいで、潤いかげんといい乾きぐあいといい、サービス精神の豊かさといい、やっぱりプロコフィエフってスゴい。そうやって「シンデレラ」を堪能して、次の日には別のプロコフィエフの曲を聴いて、頭ぐるぐる状態のメロディを同趣向でありながら別の曲に巧妙にシフトさせて追い出してしまおうという、かなり小賢しい作戦。
●対北朝鮮戦のニッポン代表メンバー発表。結局国内組に高原と中村俊輔だけを加えると。ってことは、またまた小笠原はベンチでふてくされることになるのか。

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