●ベートーヴェンの「大フーガ」自筆楽譜発見(asahi.com)。弦楽四重奏じゃなくて、ピアノ連弾用に書き直したものである。発見された場所は米フィラデルフィア郊外のパーマー神学校の地下室。この神学校では90年にモーツァルトの幻想曲ハ短調&ソナタ ハ短調も見つかっているというんだからスゴい。その地下室はワタシの魔窟並に散らかってるんじゃないだろうか(違うと思う)。ウチの実家の納屋も探したら何か出てくるかもしれない(→それじゃあ「開運! なんでも鑑定団」だよ)。
●自筆譜は全部で80枚。「欲しいなあ」と思った方は、12月1日にロンドンで開催されるオークションに3億円くらい持ってGO! オークションっていってもヤフオクじゃないぞ。サザビーズだ。18世紀から営業中。オークションへの参加方法は Buying at Sotheby's に書かれているので、初めての方はご一読を。「オークションの最中に、うっかり髪に触ったり鼻を掻いたりしても、あなたが買うことになったりしませんからご安心を」とか書かれていて、意外と親切だぞ、サザビーズ。サザビーズはくれぐれもルパンに盗まれないよう注意するように。
●なお、もしこちらの読者の方で落札した方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。自慢話を聞かせていただきます。
●恒例のコラム、DHCのFROM 40にて「オトナのためのクラシック音楽入門」第8回掲載中。
News: 2005年10月アーカイブ
ピアノ連弾用「大フーガ」自筆譜発見
テレビでムーティ特集放映中
●NHK-BS2で「ムーティ指揮ウィーン・フィル日本公演2005」。東京公演「三角帽子」他の初日を収録したもので、「えっ、もう放映してくれるの」感、大あり。満喫。10月22日 (土) 00:30から再放送されるので、見逃した方も大丈夫。番組冒頭でムーティがインタヴューに答えていた。「ウィーン・フィルは世界最高のオーケストラ、舞台上で奇跡を起こすことができる唯一のオーケストラである」等々。
●今週のBS2はムーティ特集ということで、ほかに何本か数年前のスカラ座での公演を放映してくれる。今日なんて20:00からウィーン・フィルで、00:30から「トスカ」の二本立てで、そんなに一日で放映されても観てられない。っていうかフツーは録画して見るのか。
●こういうときにハードディスクレコーダーがあると便利なんだろなあ。テレビ番組スケジュールに縛られないタイムシフト用の機器としてハードディスクレコーダーには惹かれるんだけど、あるとかえって慌しくなる気もして躊躇。時間を作り出す機器なのか、時間を潰しちゃう機器なのか、どっちなんだろう。
オタクの市場規模は12分野で172万人
●野村総研の調査研究がおもしろかった→オタクの市場規模は12分野で172万人。ヲタはこだわり分野にはムリしてでもお金を注ぎ込むから、こういうマーケティングも有効なんだろう。それにしても見逃せないのはこのオタク12分野である。コミック、アニメ、芸能人、ゲーム、組立PC、AV機器、携帯型IT機器、自動車、旅行、ファッション、カメラ、鉄道。ふはっ。ないのである。クラヲタはもちろん、音楽という分野自体が存在しないんである。われわれは日常世界でも少数派なら、なんとヲタク世界でも少数派だったのだ。さあ、一緒に歌おうじゃないか。♪わたしはこの世に忘れられ~(マーラー「大地の歌」より)。
●一昔前は経済視点で描いたオタク世界ってのは的外れなものになりがちだった。オタクとは無縁のオッサンが作るものだったから。でも今は調査研究する本人がもうオタク上等世代なので安心。休日をアキバで楽しく過ごせる感がしっかり伝わってくる。
●記事後半の「オタク層の5つの類型」は秀逸。「家庭持ち仮面オタク」「わが道を行くレガシーオタク」「情報高感度マルチオタク」「社交派強がりオタク」「同人女子系オタク」の5タイプ。特に「同人女子系」というカテゴリーをちゃんと押さえてるのが偉いんじゃないだろか。
明日までアジア・オーケストラ・ウィーク2005
●今日と明日で終わってしまうものを今ごろ紹介するのもなんなのだが、アジア・オーケストラ・ウィーク2005開催中。昨晩のタスマニア交響楽団(オーストラリア)が清新で気持ちよかったので。本日6日は東京がインドネシア(!)のヌサンタラ交響楽団、大阪が韓国のテジョン・フィル。明日7日は東京で中国の広州交響楽団。アジアの勢いを感じることで、ワールドカップ・アジア予選みたいな気分になれる(ウソ)。
●映画監督クリストファー・ノーランの次回作「ザ・プレステージ」って、原作はプリーストの「奇術師」なんだと。「メメント」の鮮烈さに比べると「バットマン・ビギンズ」は物足りなかったので、こっちには期待大。