●なんだなんだ、こりゃ。先日太陽系の惑星が12個に増えるかと思ってたら(しかもさらに24個までもありうると思ってたら)、やっぱり冥王星を惑星から格下げして8個に減らすというではないか→太陽系惑星 冥王星除外…9→8に 天文学連合定義案修正。
●会議の背景にどんな政治的意図があるのか、それともそんなもの全然ないのか、知らないけど、結論から言うと大変納得のいく話ではある。もともと冥王星が惑星っていうの、ムリヤリっぽい話だったし。小さくて。天文学的にはすっきりしそう。
●ただクラシック音楽的にはホルストの組曲「惑星」増殖大作戦が頓挫したわけで(いやそんな作戦なかったが)、とりあえずコリン・マシューズの「冥王星」やタネジの「セレス」が寂しいことになってしまった。ホルスト的にはあまりいろんな曲がぞろぞろくっついちゃうのも考えものなので、安堵したかも。
●「えー、オレもう『カロン』を作曲しはじめちゃったよ」という方もいらっしゃるかもしれない。この際、新たな組曲を作ってはどうか。「冥王星」「カロン」「2003UB313」等々、たくさんあるらしい惑星以外の星に曲をつけてまとめる。新組曲「矮惑星」。なんだか寒くて侘しい曲が並びそうだけど。
●あるいは、組曲「惑星以外」ってのはどうか。
News: 2006年8月アーカイブ
惑星12個どころか8個に減りそう
I LOVE CLASSICS 本日発売
●今週のドラマ「結婚できない男」、冒頭で阿部寛が船の模型を作るシーンでBGMがかかり「あれれ、これ何だろう、もしかして知らない曲なのか」と思ったら、映画「タイタニック」のテーマ。その後、お気に入りのマーラーの交響曲第5番、そしてモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」で指揮マネ全開。物語は阿部寛がケン(犬の)を一時的に預かるという話。最初は犬を部屋にいれるなんてと嫌がっていたのに、しまいにはメロメロになり、飼い主にかえすときの姿は失恋した男そのもの。「フッ、忘れるか……」の一言がよい。それにしてもケンのウルウルした目がかわいすぎる。あんなのと見つめあったら、そりゃメロメロにもなる。
●えー、先日のCDワールド・サッカー・クラシックスの折りにはお世話になりました。で、続いてワタシ選曲&解説CD第2弾、本日発売。
●タイトルはI LOVE CLASSICS、3枚組で2500円、中身はフツーの人々が耳にしたことのある超々々名曲だけを臆面もなくそろえたコンピレーション・アルバム。個人的に好きなこだわりの1曲とか、そういったものは一切入れずにポピュラリティを優先した。「結婚できない男」でいえば桑野信介みたいな人に聴いてもらうのではなく、早坂センセイやみちるちゃんみたいな人に買ってほしいなという企画。実際にはクラシック音楽を聴きはじめた頃の昔の自分に向けて選曲している。ワクワクしながら楽しんでもらえるように、と。
●「この人も少しはクラシック好きになってくれると一緒にコンサートとかレコード屋に行けていいのにな~」って思うような身近にいる非クラシック系のお友達や恋人、家族にプレゼントするっていうのも吉。えっ、それ営業トークだろって。もちろんそうっすよ!
太陽系の「惑星」12個へ、さらに12候補が待機中
●昨日サッカーがあったから一日遅れでこのネタを。太陽系の惑星、一気に3個増か。整理しておこう。増えるのは火星と木星の間にある小惑星で最大の「セレス」、これまで冥王星の衛星とされていた「カロン」(冥王星と二重惑星となる)、冥王星よりも大きい「第10惑星」として発表されてた「2003UB313」。
●水金地火セ木土天海[冥カ]2003UB313。落ち着かんっすね。しかもこれ以外にさらに12天体が惑星候補となるっていうんだから、急に太陽系がにぎやかになってきた。冥王星とカロンが二重惑星っていうのも、なんだか「祝! 太陽系にも二重惑星!!」みたいな感じでお祝いしたくならないっすか。とはいえ、これ、冥王星を惑星とみなすのをやめてすっきりさせる選択肢はなかったんだろうか(ないんだろなあ)。
●セレス、カロンには日本語名がつくのだろうか、そして2003UB313の命名はどうなる。セレス(ケレス)はローマ神話の農業の女神様だそうである。地母神星とか? カロンは三途の川の渡し守だろう。渡守星? イマイチだな。もう三途川星とか地獄星にしたくなる。
●で、ホルストの「惑星」はどうする(笑)。コリン・マシューズは「冥王星」を書いた。ちなみにラトル/ベルリン・フィル新譜の「惑星」にはマシューズの「冥王星」のほかに、サーリアホの「アステロイド4179」、マティアス・ピンチャーの「オシリスに向かって」、タネジの「セレス」、ブレット・ディーンの「コマロフの失墜」といった新曲が収録されている。そう、タネジ、ビンゴ! 今、タネジがガッツポーズしてるのが見えた。これでセレスは君のもの。あとは「カロン」と「2003UB313」にだれが曲をつけるのか。ワタシは知らないのだが、サーリアホの「アステロイド4179」は惑星に昇格する可能性のあるような大きな星ではないのかな。
●本来ホルストは天文学的な興味ではなく占星術的な見地から太陽系を描いた。では西洋占星術で冥王星は登場するのだろうか。Wikipediaでの記述によると「太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・海王星・天王星・冥王星の10天体を主に使う」ということなので、(流派にもよるだろうが)現代の西洋占星術は新惑星たる冥王星も体系に取り込んでいるのだろう。だからセレス他も占星術の対象になる可能性はある……が、待てよ。それ以前に「太陽」と「月」に曲をつけたっていいじゃないか、占星術的には!
●と一瞬思ったのだが、太陽と月では組曲「惑星」にならんではないか。ボケすぎ。
「のだめカンタービレ」ドラマ化&アニメ化
●祝! もうあちこちで書かれているように、「のだめカンタービレ」ついにフジテレビでドラマ化&アニメ化(こことかここ参照)。ドラマは10月16日(月)スタート。衛藤凛脚本。配役はこう。ていうか、シュトレーゼマンが竹中直人って。
野田 恵 …… 上野樹里
千秋真一 …… 玉木 宏
峰龍太郎 …… 瑛 太
三木清良 …… 水川あさみ
奥山真澄 …… 小出恵介
多賀谷彩子 …… 上原美佐
シュトレーゼマン …… 竹中直人
●最近たくさんテレビ見てる気がするけど、ホントはやっぱりあんまり見ないワタシは竹中直人以外誰一人として(名前すら)知らない。やれやれ。「瑛 太」って方は「瑛」が姓で「太」が名なのか、それともイチローみたいに「瑛太」で通ってるのかどっちなんだろ。
●そんなヤツにTVのことなんか語られたくないだろうけど、でも語る(笑)。非常に楽しみっす。なんとなく予感としては、ドラマとしてはなかなか難しそう。原作の魅力っていろいろあるけど、たとえばクラシック音楽関係の描写とか、「一般読者はよく知らんだろうから、こんなもんでいいだろう」みたいな手加減が全然ないってのもそのひとつ。それがテレビの「みんなにわかりやすいもの以外は見せない」っていうルールによって蹂躙されるかもしれん。弾きマネとかもウソはウソでいいから、堂々と立派にウソをついてほしいけど、大丈夫かなーとか。それから、ギャグ。これは原作のものをそのままTVに置換するのは難しそうなので、脚本家の方のセンスに期待。
●基本的にラブコメだけど、重要な場面では千秋や時にはのだめの天才性みたいなものを見せて「おおおーーー!」と思わせなきゃいけないから、個人的にはアニメのほうが向いてる気がする(しかもこっちは深夜枠だし)。でもまあ、わからんすよね、見てみなきゃ。
●ともあれ、クラシック音楽業界的には圧倒的にすばらしい話である。すでにコミックだけでも恩恵受けてるけど、「月9」のパワーはその比じゃないはず。若い子たちがグヮシグヮシとクラシックを聴きはじめる予感! そしてこれがクラヲタ新世紀への重大な布石となるのであった(なんじゃいそりゃ)。
ドラマでエルガー、USBメモリーにモーツァルト
●あー、TVドラマ見る習慣なんてなかったのに今週も見てしまった>阿部寛「結婚できない男」。クラシック関係シーンはひとつだけ。自宅で考え事しながら、エルガーの「威風堂々」第1番に聴き入る場面。これだけで指揮者がだれかわかったらクラヲタ王。
●お好み焼きにもウンチク垂れなきゃ気が済まない阿部寛が相変わらず笑える。クラシック度は低まったが、TVドラマ的にはさらに楽しくなってきている。阿部寛の役柄は、仕事はできるし知識も豊富なんだけど、一から十までとことん社会性を欠いたヲタ気質の四十男。これがクラシック好きであるという設定がワタシらには大変すんなり伝わるわけだけど(笑)、これっていいんだろかね。
●ドラマはこの辺にしてクラシック話。先日ネットラジオで生中継を聴き逃したザルツブルク音楽祭の「フィガロの結婚」(アーノンクール/ウィーン・フィル、ネトレプコがスザンナ)、やっぱり諦めるのは惜しくてバルトーク・ラジオのアーカイヴから該当ファイルと思しきものをダウンロード、このmp3ファイルをメモリー・プレーヤーにコピー。で、これを持ち歩いて外で「フィガロ」をまず1幕だけ聴いてみた。いやー、実に楽しい。序曲からしてとても新鮮でワクワクする。しかも(ホントは録音だけど)放送を聴いているっていう実感がある。後日同じ公演の録音がCDで発売されて、それを携帯プレーヤーにコピーして持ち歩いても、きっと同じ楽しみは得られない。なにが違うのかってのは薄々気がついてるけど、少しビミョーな問題があって難しく、でもまあ一言でいえば「流通」の有無の差。
「ショルティよりバレンボイムだな」
●しょうがない、今週も見ておくか(笑)→阿部寛のTVドラマ「結婚できない男」。今回クラヲタ的には見せ場多くて、まず以前にも出てきたマーラーの交響曲第5番ではじまって、シューベルトの「アヴェ・マリア」と来るわけだが、しかし仕事で激しくてんぱってるときにBGMのCD選びにあれこれ悩んでしまうっていう場面に大ウケ。もうそれあるあるあるある状態。で、音は出てこなかったけどブルックナーのCDをトレイから取り出してボソッと一言、「ショルティよりバレンボイムだな」。好きな指揮者について比較するってのはクラヲタの王道だけど、これが視聴者にどれくらい伝わったのか心配である。でも、ブルックナーでバレンボイムかよ~、ワタシだったらショルティのほうがいいぞっ!(←ノリを合わせてみた)
●ちなみに今回はオーディオ装置もチラッと登場。アンプ、CDプレーヤー、スピーカーとONKYOのシリーズでそろえてるっぽい。これもまたいかにもなんだよなー。オーディオにしてもクラシック音楽にしても、これ以上マニアックな描写にしちゃうと一般人には意味不明になるだろうから、このあたりがギリギリのラインか。
●阿部寛の家事をきちんとしないと気が済まない潔癖ぶりも吉。不潔王のクラヲタだったら視聴者ドン引きしちゃうし。