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News: 2008年11月アーカイブ

November 28, 2008

「ネットで楽しむオーケストラ 新日本フィルライブ」を公開!

新日本フィルライブ
●日経パソコン創刊25周年企画として、PC Onlineに特設サイト「ネットで楽しむオーケストラ 新日本フィルライブ」が公開されましたので、そのご案内を。新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏をインターネットで配信するサイトです。日経BP社さんとワタシとで「日本のオーケストラの演奏会をネット配信できないかなあ」と考えて、企画したサイトです。もちろん、新日本フィルさん、音楽監督アルミンクさんのご賛同ご協力があって実現したものです。無料で聴けますし、映像もついています。音質重視の方には256kbpsのWMAで音声のみの高音質ファイルもありますので、ぜひPCを外部オーディオにつなげて聴いてください。
●現在公開されている音源は、クリスティアン・アルミンク指揮による今年9月7日すみだトリフォニーホールで開催された名曲シリーズからの3曲。今後これをなるべく拡充したいと思っていまして、すでに比較的最近の定期演奏会および名曲シリーズの3公演から、ほかに4曲分の映像や音声を収録しています。
●このブログだとか、日経PC Onlineの連載でも繰り返しご紹介してるんだけど、今、いろんなオーケストラやオペラハウスが次々とインターネットでライブを配信/放送しているじゃないですか。これは大変ありがたいし嬉しいことで、パッケージメディアの次の時代の到来を感じさせてくれるんだけど、一方で欠落感を感じるのは、それらのほとんどが「どこか遠くにあるものを聴かせてくれる」という性格のものばかりだから。なぜ近くの楽団は聴けないんでしょうか。ネットでウィーン・フィルやメトを聴いて感動しても、次の段階として「じゃあ、今度これを生で聴きにいこうよ」ということにはならない(来日すれば聴けるけど、それは別の種類の楽しみ)。気に入ってくれた人が、生の演奏会を聴きにいけるような、無料の音楽配信コンテンツが欲しかった。サッカーで言えば、レアル・マドリッドとかマンチェスター・ユナイテッドは確かに横浜Fマリノスや浦和レッズよりも魅力的なサッカーをしてるわけだけど、週末に観戦に行けるのはマリノスやレッズのほう。「レアルが好き」と「マリノスが好き」は、本質的に違う「好き」なんだと思うんすよ。なんというか、マリノスのほうは「一方通行」ではない。
●で、日経パソコン創刊25周年の記念企画として公開された「ネットで楽しむオーケストラ 新日本フィルライブ」、ぜひお楽しみいただければ。今3曲載ってるだけなんだけど、ここに至るまであれこれ壁にぶち当たりながら半年以上かかってます(笑)。でもこれ、どれくらいアクセスがあるのかなあ。どうか大勢の方につないでいただけますように。

November 7, 2008

「サロメ」@METライブビューイング

カラヴァッジオのサロメ●先日、「カリタ・マッティラのサロメ」でも触れたMETライブビューイングの今シーズン第1作R・シュトラウス「サロメ」、東京でもようやく上映されて新宿ピカデリーへ。「何でも見せちゃう」「何でもリアル」を追求するのがMETライブビューイング。今回は休憩がないので舞台裏紹介はないんだけど、それでも開幕直前の楽屋にカリタ・マッティラを司会役のデボラ・ヴォイトが訪ねたりする。カリタ・マッティラは先シーズンの「マノン・レスコー」での幕間インタビューで、「わたし今猛烈にストレッチしてるのよ、ほらほら、これ180度開脚よ、ホーホホホホ!」(←意訳)みたいなことをハイになって語ってたんだけど、今日わかった、あの180度開脚はサロメ役で使うためだったんだっ!
●いや、そんなことはいいか。カリタ・マッティラ、絶唱。すさまじいサロメだった。演出はユルゲン・フリムで、一応登場人物が20世紀の服装をしてたりするけど、荒業も飛び道具もないストレートなもの。例の「7つのヴェールの踊り」は男性ダンサー2人が絡みながら、(知らないから想像だけど)正調アメリカン・ストリップティーズを見せてくれて、踊っているのがオペラ歌手だといういちばん肝心な点を除くと(笑)圧倒的な本物感。いやー、この踊りをどれだけ練習したんだろ。もう降参。ストレッチだけじゃなくて、きっとダイエットも激しくしたと思うんだ、一見わからないけど。48歳を16歳(17歳だっけ?)にするために、ここまでやるのか、みたいな。「何でも見せちゃう」「何でもリアル」だから、観客の想像力なんて当てにしないで、作れるものは徹底して作りこむ。最後の全裸になったらしい瞬間は、カメラがヨソを向くのでお茶の間も安心。ていうか、そのまま映すと映画館でR指定になるのかなあ? あれ、でも生首はいいんだっけ。口の周りを血だらけにして熟女が生首に接吻するシーンのほうがよっぽど問題な気もするけど、よくわからん。
●スゴいよ、メトは。ヘロデ役のキム・ベグリーの顔芸とか。笑ってしまうほど見事。高解像度映像が前提の顔芸。あと黙役の首切り奴隷の人も可笑しかった。どう見ても「マサイ族の勇者」みたいな体脂肪率5%くらいのおっかない人が、黒褐色の肌をテラテラさせながら蛮刀みたいなのを振り上げて、ヨカナーンの首を斬りに地下牢に入っていく。本物っぽくて怖すぎだよ! 「何でも見せちゃう」「何でもリアル」だから。やめて、夢に出てきてうなされそう。
●カメラワークも緻密。ここまでやろうと思ったら、カメラとか映像の編集とか、どれだけがんばらなきゃいけないんだろ。仕切ってる人は偉すぎ。
●次回予告編で流れていた、ジョン・アダムズ「ドクター・アトミック」がまた強烈なんだ。画面に「廣島市」が出てくるし。ナガサキ~って歌ってるし。被爆国視点で見るとどうなのかな。
●誰も劇場でポップコーン食べないよね……やっぱり。うるさいから。食いしん坊の人のために、静かに食べれる(ら抜き)堕落したジャンクな食い物はないかなあ。バリボリ齧っても隣の人が気づかない無音チップス絶賛待望中! コーラとセットで。

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