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News: 2010年7月アーカイブ

July 29, 2010

遅く来るか、早く帰るか

●昨晩は「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2010」で、下野竜也指揮読売日響。R.シュトラウス12歳の作品という珍しい「祝典行進曲」と、交響詩「英雄の生涯」。会場に着いたらプレトークの模様がモニターに映し出されていて、なぜか「宇宙戦艦ヤマト」のテーマが聞こえてきた。指揮者は白衣だし謎。「ヤマト」は「英雄の生涯」と英雄つながり? とりあえずワタシはTwitterでのデスラー総統のつぶやきを思い出したんだが。
●このプログラムは休憩なしの短時間プログラム。その分、開演を遅めに設定して20時開演という勤労者フレンドリー仕様(この音楽祭は公演によって開演時間やプログラムの長さが違っていて、ぜんぶがこうなっているわけではない)。
●「ラ・フォル・ジュルネ」だけではなく、一公演が短いコンサートというのが目立って増えてきた。短めといっても本当に短時間のものもあれば、今回みたいに「祝典行進曲」と「英雄の生涯」やってアンコールも一曲やってくれればかなりの満足感は得られるわけで、実質休憩なしが利いて短時間な場合もある。オーケストラの普通の定期演奏会でも、たとえばマーラーの6番「悲劇的」1曲だけみたいに、休憩なしで大曲のみだと、かなり早く終わる(先日のアシュケナージ/N響はテンポがとても速かったので、特にそう感じた)。
●これとコインの裏表みたいな現象だと思うんだけど、通常の2時間クラスのコンサートで、終わるとすぐに帰るお客さんが明らかに増えたと感じるんすよ、10年スパンくらいで見ると。つまり、カーテンコール1回くらいでみんな拍手しててもさっさと席を立って帰る。終電とかじゃなくて、純粋に早く帰りたい(きっと)。
●いま「もう少し一公演の時間が短めであってほしい気分」があるのかなあとうすうす感じてるんだけど、イマイチその確かさに自信がない。

July 26, 2010

なぜかネズミ軍団

●昨晩のバイロイト音楽祭「ローエングリン」生中継、また今年も途中まで、寝支度などしながらラジオ的に付き合った。第1幕までかろうじて聴いて就寝。白鳥の騎士の名前は今年もまた明かされることがなかった。あ、「今年も」って今年が初めてか。
●このハンス・ノイエンフェルス演出の「ローエングリン」、こんな感じの写真(その1その2)があるんすけど、なんでみんなネズミなんすかね。
●ミッキーは出てきません(たぶん)。
●明日、7月27日(火)は以前にもご紹介した「小倉貴久子×大井 浩明フォルテピアノデュオ モーツァルト クラヴィア協奏曲全曲プロジェクト」の第2回公演(自由学園明日館講堂)。モーツァルトのピアノ協奏曲を作曲順に2台フォルテピアノで演奏するということで、今回は第11番、第12番、第13番、第14番の4曲。一般的な大コンサートホールでの協奏曲を日産スタジアムで観戦するサッカーとすれば、こちらはフクアリとか西が丘とか小さな専用競技場で観戦する試合。ぐっと親密な空間で聴く協奏曲は新鮮。当日券もあり。
●週末フットボール短信。テレビ中継でマリノスvsガンバ大阪。思い切りガンバに攻め込まれて、中身は到底ほめられたものじゃなかったと思うが、後半ロスタイムに天野のゴールで1-0、まさかの勝利。17歳のストライカー、小野裕二がチーム最年少となる初先発。他の全選手がかすんで見えるような逸材。その小野のパスに後ろから長い距離を走ってきた天野が追いついて、浅い角度からゴールマウスのニアに蹴り込んだ。これも見事だった。それにしてもマリノスの試合は見ていてしんどい。なんというか、危うくて見てらんない。俊輔? 出てた。高品質なご隠居プレイ。

July 23, 2010

バイロイト音楽祭ネットラジオ中継など

ワーグナー●今週末よりバイロイト音楽祭が開幕。また今年も欧州各局が生中継してくれる。例によってoperacastに Bayreuth 2010 特設ページができているので、中継予定はこちらを参照するが吉。時刻はGMT表示+9時間で日本時間。おかかさんの「ウェブラジオでクラシック音楽ライブ」も大いに頼りになる。いつもありがたく使わせていただいてます。
●まずは7月25日(日)の「ローエングリン」から。指揮はアンドリス・ネルソンス。今秋のウィーン・フィル来日公演をサロネンとともに指揮する注目の若手。1978年生まれだから、今年32歳か。ラトヴィア人。ネルソンスは2011年の「東京・春・音楽祭」でも「ローエングリン」を指揮することが発表されている(こちらは演奏会形式)。METライブビューイング「トゥーランドット」にも登場してて、そのときの幕間インタビューでラトヴィア国立歌劇場オーケストラの元トランペット奏者だったという経歴が披露されていた。
●「ネルソンス」と「ネルソンズ」で表記が揺れてたけど、そろそろ「ネルソンス」で決着付けたい。ウィーン・フィル来日公演がそっちだし。
●しかしサッカーにしてもコンサートやオペラにしても、生中継となると時差がキツいっすよね。この「ローエングリン」も23時スタートだから、頭のほうだけは聴けても、とても最後までは付き合いきれない。生をあきらめてしまえば、たぶんBartók Rádióのアーカイブを後日拾えるか。どこかBBCみたいにユーザー・フレンドリーなスタイルでアーカイブを残してくれたらなあ。
●今年は映像付き有料中継はないのか?
NHKの生中継は8月21日(土)の「ワルキューレ」なので、まだ先。

July 21, 2010

フェスタサマーミューザKAWASAKI2010、25日より開幕!

●以前記者発表の様子をご紹介した「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2010」が、いよいよ7月25日(日)より開幕。ミューザ川崎で開かれる音楽祭で、首都圏9つのプロ・オーケストラが7/25~8/15にかけて登場する。チケットはお手頃価格、各オケを聴き比べるのも吉。ワタシもいくつか聴きに行く予定。
●ミューザ川崎には、なんと、あの「ふろん太くん」が遊びに来たそうである。うぬぬ。えっ、ふろん太くん、知らない? 川崎フロンターレ所属の鳥なんだかイルカなんだか恐竜なんだかよくわからない謎の生命体である。そっちの世界ではイケメンらしく、ブイブイ言わせてるっぽい(参照スクープ記事:川崎・ふろん太くんの熱愛発覚、お相手は大宮のミーヤちゃん)。マリノス者のワタシとしては、マリノスケとマリノス君にも同じ神奈川勢なんだからミューザ川崎を訪れてほしい気もするのだが、そこはやはり川崎と横浜はフロンターレとマリノスくらいには違うわけで、少し悔しい。
●ちなみに「フェスタサマーミューザ」のタブロイド版チラシをこちらで見ることができる。3つの設問に答えるだけであなたにぴったりのコンサートを教えてくれる「タイプ別オススメ名曲診断」があって、診断はあの須栗屋敏先生である。なお、一般向けなので、毒気はきわめて薄くなっている。
●今月、須栗屋敏先生はわりと活躍している。年に2回くらい出張鑑定するケータイサイト「音友クラシックコンサート」でも、今月いっぱい「性格別名曲診断」特集を公開している。ガラケーな方はどぞ。

July 16, 2010

BBC Proms 2010が開幕

BBC Proms●本日深夜 BBC Proms 2010 が開幕。オープニング・コンサートはビエロフラーヴェク指揮BBC交響楽団によるマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」。9月11日の「ラスト・ナイト」まで約80公演が行なわれる。ワールドカップより長いんすよね。今年も若手から大御所まで、ラトル/ベルリン・フィルからスピノジ/アンサンブル・マテウスまで、多彩かつ豪華なアーティストたちが集う。ティチアーティとかネゼ=セガンとかヴォルコフとかブランギエとか若くて元気な指揮者も多数登場。コンサートの全貌を一覧したいときは、こちらの Printer Friendly Version の予定表がオススメ。
●と、この音楽祭に興味が持てるのも BBC Radio3 が中継してくれるおかげだ。ここはいつも一週間オンデマンドで番組を聴かせてくれるので、時差のあるワタシらにはとてもありがたい。音質はたぶんやや低め。まあライブの放送音源だし。
●で、これに関してくるのだが、訃報を。指揮者チャールズ・マッケラス逝く。享年84。今年のPromsにも出演予定があった。追って代役が発表されるだろう。ご冥福をお祈りいたします。
●プレトニョフの出演もあるのだな。

July 9, 2010

「バンドジャーナル」8月号付録にホルストの第1組曲校訂譜

バンドジャーナル●ホルスト作曲「吹奏楽のための第1組曲」といえば、吹奏楽における聖典。その第1楽章「シャコンヌ」の自筆譜に基づく校訂譜が、今月の「バンドジャーナル」誌の付録としてついている(8月号、明日7月10日発売)。現在大英図書館に収められている自筆譜を伊藤康英氏が校訂したもので、以降10月号に第2楽章「インテルメッツォ」、12月号に第3楽章「マーチ」が掲載予定なんだとか。で、なにがどう違うんだというのは、たとえば現在広く使われている版とは編成から違っているということなど、詳細な校訂報告が添えられている。しかし吹奏楽の世界にも自筆譜にもとづく校訂版とか、そういう考え方があるんすね。ってことは、ピリオド・アプローチとかもあるの!?
●これはきっと売れる。問答無用の強力コンテンツ。
●久々に「バンドジャーナル」を手にしたけど、記事の分量がスゴい。薄いのに中身はギッシリつまっている。この半分の記事の量でも余裕で一冊作れると思うんだが、大変な大盛り感。ページあたりの文字数は「レコ芸」より多いんでは。老眼対策気にせずに文字の級数をガンガン落とせるからか(笑)。
●「バンドジャーナル」がどうかは別として、一般に雑誌って記事の量を増やすより減らすほうがずっと難しいんすよね。編集者たちが忙しすぎてひいひい言ってたとしても、放っておくと記事を増やすほうにばかり話が進み、なかなか減らそうって話にはならない。謎。

July 2, 2010

ボローニャ歌劇場来日、バイロイトTV生放送、3Dオペラ、DGラジオ。

●ふー。中休みである、ワールドカップは。ベスト8が出揃ったところで二日間は試合がない。過密日程の大会だが、さすがにここで休みがないと選手が倒れる。テレビ視聴者も。
●で、そろそろこのサイトがなんのサイトなんだかわからない状態に入っているが(4年に1度は確実にそうなってる)、大会中にたまっている音楽系の話題をいくつか。
●まず、ボローニャ歌劇場2011年9月の来日決定の速報。演目は3つ。ベッリーニ「清教徒」(フアン・ディエゴ・フローレス、デジレ・ランカトーレ)、ヴェルディ「エルナーニ」(サルヴァトーレ・リチートラ、ディミトラ・デオドッシュウ)、ビゼー「カルメン」(ヨナス・カウフマン、ニーノ・スルグラーゼ)。「カルメン」の演出はカストロ政権下のキューバが舞台で、カルメンはタバコ工場じゃなくて葉巻工場の女工なんだとか(笑)。エスカミーリョはボクサーだっていうんだけど、じゃあ闘牛場は出てこないのかね。いずれも東京文化会館。
●続いてTV放映の情報。今年のバイロイト音楽祭の「ワルキューレ」が、なんと、NHK-BShiで世界初のTV生放送決定!(詳細)。8月21日(土)午後10:50~午前5:10。これはスゴい。ネットラジオで生バイロイトというのはクラヲタ夏の風物詩として定着しているが(ホントかよ)、フツーにテレビで見れる(ら抜き)ってのはありがたいではないか。開始時刻はいいとして、終演は午前5:10。ワールドカップの深夜生中継が生ぬるく思えるような時間帯だ。がんばれ、ニッポン! 違うか。
●指揮はクリスティアン・ティーレマン、演出はタンクレート・ドルスト。BShiが見れないアナログ者(ワタシのことだ)は生はあきらめて、8月30日(月)午前0:40からBS2で。
●もう一つオペラネタがあるのだった。ロイヤル・オペラが「カルメン」を3D映像で収録。「アバター」「アリス・イン・ワンダーランド」を担当したrealDが技術提供したっていうんだけど、そんな発想がありえたとは! オペラ歌手を3Dで堪能できる!(笑)。これは喜ぶところなのか……。
●最後に一つネットラジオ系の話題を。しばらく中断されていたDG Radioが微妙にリニューアルして復活している。ラジオというか、好きなだけ聴いていられる試聴機。DGのサイト自体もあれこれリニューアル中で、一部サービスが中断されたり再開されたりで、落ち着かない。老舗レーベルもあれこれ試行錯誤しているのだなあ。
●明晩からまたワールドカップ。でもここからは、あっという間なんすよ、もう試合数が少ないから。閉幕間近っていう心の準備をしておいたほうがいい。なんという寂しさなのか。たまらなく切ない。

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