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News: 2011年8月アーカイブ

August 29, 2011

ベルリン・フィル2011/12年シーズン開幕

●8月26日にベルリン・フィルの2011/12年シーズンが開幕。ラトル指揮のマーラー交響曲第7番「夜の歌」。デジタル・コンサート・ホールでも生中継されたわけだが、facebookページのほうでもお知らせしたように、この日はスポンサーのドイツ銀行が無料で配信してくれた。日本時間だと金曜の深夜2時。最近夜更かしを止めたワタシにとってはしんどい時間であるが、がんばって頭のほうだけは見た。Twitter上でも思ったよりも多くの人がアクセスしていて、週末の2時開演なら人は来るんだなと感動。夏時間が終わって、これが3時開演となると相当厳しい。
●デジタル・コンサート・ホールはバージョンアップされていた。画質&音質のクォリティが3段階から5段階になっていて、デフォルトはAUTOの設定で、勝手に回線状況に応じて上がったり下がったりする(これは自分で固定に設定したほうがいい気がしたけど)。最高画質のときはあまりに鮮明でびっくり。あと、全般に画面が明るくなっていた気がする。サービス開始の頃から比べると、ずいぶん進化したよなあ。
●あ、そうだ、これは書き忘れてたからメモっておこう。今年のベルリン・フィルの来日公演、チケット発売日のことなんだけど、ネット上の代表的なチケットサービスをいくつか見た限り、10分ほどで3公演全席が売り切れたようだった。
●聴きたいものは聴けるときに聴いておかないと。

August 22, 2011

ゾンビと私 その19 ジョナサン・ケント演出「ドン・ジョヴァンニ」

●日曜の午前中から新宿バルト9へ。ソニーLiveSpireのワールドクラシック@シネマ2011「ドン・ジョヴァンニ」。午前11時からの1回のみ上映で8/20~8/26の一週間(東京以外も全国各地それぞれのスケジュールで上映。東京より先に終わったところもあれば、後のところもある)。2010年のグラインドボーン音楽祭から、ジョナサン・ケント演出、ユロフスキ指揮エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団(すばらしい)、ジェラルド・フィンリー (ドン・ジョヴァンニ)、ルカ・ピサローニ(レポレッロ)他。
●よく練れた演出で、おもしろかった。冒頭の場面、ドン・ジョヴァンニはいきなり悪辣。騎士長と決闘なんかしない。相手が油断してる隙にさっさとでかい石を拾って、後ろから騎士長の後頭部にガツン、さらにガツッ!、とどめにガツッ!と一方的に殺してしまう。他人への共感能力を徹底的に欠いたドン・ジョヴァンニ像をさっくりと宣言。嫌な感じのリアリズムで舞台を引き締めてくれた。
●レポレッロはポラロイドカメラで主人のお相手をパシャって撮ってカタログにしてる。そうだよなあ、カタログには写真がなきゃ(笑)。ポラロイドカメラだから時代は少し昔なのだ。今なら「♪イタリアでは640人~」と歌いながら、iPadの画面を指でひゅんひゅんしながら獲物を自慢するところか。
●ドンナ・エルヴィーラっているじゃないすか。この役ってコミカルというか、イジメたくなる役柄だと思うんすよ、基本的に。すごくダメな人なのに、正義を振り回すという設定に、作者のイジワルさを感じる(というかドンナ・アンナに対してもツェルリーナに対してもイジワルさは感じられるけど)。1幕の終わりでドンナ・エルヴィーラとドンナ・アンナ、ドン・オッターヴィオの3人が仮面をつけてドン・ジョヴァンニの屋敷を訪れる場面で、ドンナ・エルヴィーラは顔にピエロのメイクをしている(笑)。そうか、女ピエロだよなー、ドンナ・エルヴィーラって。
●ドン・オッターヴィオの役どころは愚鈍。「ドン・ジョヴァンニ」ってあらゆる脇役に対して作者がイジワルじゃないですか。そこが好きとも嫌いともいえる。
●おっと話がそれた。この演出でいちばんいいなと思ったのが死んだ後の騎士長の扱い。平凡な演出の「ドン・ジョヴァンニ」ではこれが見るに耐えない。石像がしゃべるとか、晩餐にやってくるなんてのでは、本来シリアスでなければならない場面が(少なくとも音楽はそうなってる)、どうしようもなくバカバカしい場面になりがち。で、この演出では石像は出てこない。レポレッロとドン・ジョヴァンニが墓場で出会うのは騎士長の石像ではなく死体そのもの。墓から出てきた死体が動く。つまり、これはゾンビだ。そうは明示されていないが、どう見てもゾンビ。ドン・ジョヴァンニはゾンビ騎士長を晩餐に招いたんである。これ、意外と歌詞もそのままで通るっぽい。石像でもゾンビでも触ると冷たいし。
●で、地獄落ちの場面だ。やってくるのは石像ではなく、生きている死者だ。その登場の仕方だけが無理やりすぎて思わず声をあげて笑ってしまったが(どんなかは内緒)、ドン・ジョヴァンニは騎士長ゾンビに襲われて血だらけになって地獄に落ちる。落ちても死体はちゃんと残ってる(描かれていないけど、後日談としてはドン・ジョヴァンニも甦り、次々と女たちを真の意味で襲い、死後バージョンのカタログが作られることになるだろう。また、騎士長は確かに食事にやってきたのだともいえる。人間の食い物は食わないけど、人間は食べちゃいます~的な)。
●なるほど、これはいいね。石像より生きている死体のほうが、ずっと話が通るし、今日的で、なによりモーツァルトの音楽が救われる。ジョナサン・ケント、鋭いな。と思ったら、デイヴィッド・マクヴィカーも騎士長ゾンビの演出をやってるらしい(未見)。そうだなあ、これたどり着く結論としてそうなるしかないってところもあるだろうし、もうこれからは騎士長=ゾンビを標準にしてもいいくらいなんじゃないか。少なくとも私たちの社会にゾンビ禍が訪れている間は、アイディアを共有していいってことにしてはどうか。頼むよ(誰に?)。
●昨日8月21日は本サイトCLASSICAの設立16周年なのでした。祝。

August 18, 2011

HMV ONLINEがリニューアル

●ここ何日かサイトが閉じられていたHMV ONLINEが再開された。
●まずポイントサービスが変わった。これまで付与されていた HMVメンバーズポイントが終了となり(すでにたまっている分は有効期限まで使用可)、かわって Pontaポイントという、(株)ロイヤリティマーケティングによる共通ポイントプログラムがスタートする。Pontaカードの発行が必要。これはHMVだけではなくローソンやGEO、昭和シェル石油、ケンタッキーフライドチキン等々で使用できるのだとか。
●この種のポイントカード類に関しては疎くて、これがどういうものなんだかイマイチ理解できていない。HMVに限らず、レコード店にポイントカードを作るのは自然というか、抵抗がない。なじみがあるし、個人の顔が見えるし、昔からそういうものだから。でもコンビニやファストフードで「ポイントカードをお作りしますか(ただし住所・氏名・電話番号・生年月日が必要で、購入履歴はデータベースに蓄積されます)」と言われたら、いくら特典があっても断ると思う。
●それに Ponta ってなんだろ? 今まで犬だと思ってたところが急にタヌキになった。ポイントカードだと思ってたらある日葉っぱに変わったりするの?ととまどいつつも、結局「レコード店で買い物するときはポイントカードを持つ」という長年の習慣に流されて、Pontaポイントを申し込んでしまった……。HMVだけで使う分には今までと同じかな、と。HMVのような趣味性の強いお店と、コンビニみたいな日常用品の大規模チェーンとがいっしょになるっていうのはこういうことなのかと今さら思ってみたり。
●HMV ONLINEの一つ上の階層に「エルパカ」というモールができてて、HMVのほかにローソンチケットなどが入っている。いずれHMVとローソンチケットがスムーズに連動するようになって(CDを買った人にはそのアーティストの公演情報とチケットを、チケットを買った人にはCDを)、利便性が高まると期待する。

HMV ONLINE (クラシック)

August 15, 2011

フェスタサマーミューザ2011KAWASAKI閉幕

フェスタサマーミューザ2011KAWASAKI最終日はヨレル・レヴィ指揮東京交響楽団。フィナーレにふさわしく堂々たる重厚なベートーヴェンの交響曲第4番を聴かせてくれた。会場はサンピアンかわさき(川崎市立労働会館)というホール。小ぶりな昭和の市民会館スタイルなんだけど、エポックなかはらよりは響きは良好。隣が競輪場、そのまた隣が教育文化会館というカオスな並び。競輪場のそばで飲んだくれてるオッチャンがいる。酔えるレヴィ。あ、今の取り消し。
●本来の会場であるミューザ川崎については「復旧工事の完了は平成24年度末を目途とする」と以前に発表されている。ミューザがしばらく使えないのは残念すぎるにしても、それでも今年も音楽祭が開催されたというのは大変すばらしい。LFJのときも思ったけど、音楽祭は(たとえ震災の影響で縮小されても)なんらかがが継続して行なわれるってのはすごく意味がある。一回でもゼロになると、これまで積み上げてきた存在感とか習慣がリセットされてしまうというか。会場も川崎市内の各地のホールを使用して、川崎のお祭りだというのがはっきりしていてよかった。おかげで川崎の知らない場所に足を運ぶことができたし。こんなに暑くなければ川崎大師にも行きたかったんだけどなあ、と言ってみる気温34度(体感推定)。

August 12, 2011

CDショップWAVE全店舗閉鎖

●「CDショップ WAVE の株式会社WAVEが全店舗閉鎖、自己破産申請へ」(帝国データバンク)。六本木WAVEはすでに1999年に閉店しているので、むしろ大宮店など今年になっても店舗が存在していたことに驚いた。WAVEが手がけていた地下鉄構内のドーナツ店ってどこなんだろう? ともあれ24億余の負債を残して自己破産したのは残念。
WAVEは値札を直接プラケースに貼っていた●一頃六本木WAVEくらいワクワクするお店はなかったような気がする。タワーレコードやHMVに先駆けて、CD店の概念を変えるメガショップとして衝撃的だった。旧譜が棚にレーベル順に並んでいるのが美しかった。レーベル順に並べられると、作曲者や作品でディスクを探すのが困難なので現在の大型店ではありえないことだと思うが、レーベルの個性は伝わりやすい。Aから並んでいたので、ついAから見始めて、すぐ疲れて止める。ということを毎回繰り返していると、ACCENT とか ACANTA とか ARCANA とか、Aから始まる名前のレーベルばかり何度も眺めることになる。あの頃、Zig-Zag がなくてよかった!

August 9, 2011

「東日本への贈りもの」アバド&ルツェルン祝祭管Web生中継/「TDKオーケストラコンサート」ベルリン・フィル公開リハーサルに学生ご招待

●耳寄り情報を2つ。
●まず、本日の日本時間19:00からスイス・ルツェルンで行なわれる「東日本への贈りもの」概要発表およびクラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団の演奏が、KAJIMOTOウェブサイトにて生中継される。曲はマーラーの交響曲第10番~第1楽章アダージョ。この模様は東京国際フォーラムでも生中継されるというのを前にお知らせしたと思うが(ワタシはそちらに足を運ぶ予定)、ウェブでも中継されることになった。自宅からもアクセスできるという楽チン(←死語?)具合が吉。詳しくは以下に。

8/9「東日本への贈りもの」概要発表/アバド&ルツェルン祝祭管の演奏をWeb生中継
(KAJIMOTO)

●もう一点、こちらは学生さん限定のうらやましい企画。TDKオーケストラコンサート 2011 サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル来日公演の公開リハーサルに学生200名をご招待! 中学生以上で音楽を学んでいる学生の方が対象、リハーサルは11月23日(水・祝)サントリーホールで午後2時から。要学生証提示なので、チケット争奪戦に敗れた元学生のオッサンとかは申し込まないように(笑)。もちろんリハーサルであって、本番ではないので、そのつもりで。
ラトル指揮ベルリン・フィル

photo © Andreas Knapp
August 8, 2011

夏の音楽祭など、ウェブ中継いくつか

昔のラジオ●どうせほとんど聴けないのだが、オンデマンドで配信されるものを自分用にいくつかメモ。
●France Musique から、ラ・ロック・ダンテロンでのペヌティエのピアノ+山田和樹指揮イギリス室内管弦楽団。モーツァルトの協奏曲2曲他。
ARD Radiofestival 2011。ARDはドイツ公共放送連盟ってことでいいのかな? このあたりのアーカイブから、ザルツブルク音楽祭のティーレマン指揮「影のない女」などを聴くことができる。
●ザルツブルク音楽祭関係はORFのアーカイブでブーレーズ指揮ウィーン・フィル他。
●KUSCから、LAフィルのハリウッド・ボウル。ドゥダメル指揮ラン・ランの独奏で開幕。
●もちろん、BBCのProms 2011も。引き続き、オンデマンド配信中。
●あと、これは前からあがってるんだけど、Arteの「コジ・ファン・トゥッテ」(エイドリアン・ノーブル演出/ステファノ・モンタナーリ指揮リヨン歌劇場)。チラ見しただけど、舞台がかわいくて、女性陣の容姿も端麗で、すごくシャレてて楽しげ。iPhoneみたいな携帯機器で恋人の写真を見せっこするなんて、これ以外にないっていうリアリティを感じる。

August 5, 2011

OEKツアー、ラ・ロック・ダンテロンでチッコリーニと共演 その2

●ようやく帰国いたしました。日常への復帰を目指し中。
●OEKツアー、最終日はラ・ロック・ダンテロン・ピアノ・フェスティバルでチッコリーニと共演。開演前は野外ステージそばの芝生スペースでピクニック気分を楽しむ人が多数。ここは本当に緑が豊かで、目を楽しませてくれる。夜8時半くらいでこの明るさ。
laroque_green.jpg
●まだセミが盛大に鳴いている夜9時に開演(そして演奏中に日が暮れると、セミに代わってコオロギが鳴き出す)。アルド・チッコリーニのピアノ独奏、井上道義指揮オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏で、前半にベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番、さらにシューマンのピアノ協奏曲の2曲、後半にベートーヴェンの交響曲第7番。
チッコリーニとOEK
●チッコリーニは1925年生まれ、もうすぐ86歳。リハーサルでは杖をついて歩いているくらいのおじいさんなんだけど、鍵盤に向かうともう別人。力強く明快なタッチで堂々たるベートーヴェンとシューマンを聴かせてくれた。しかも間に休憩なしで。大巨匠の風格。聴衆もすっかり圧倒されて、シューマンが終わった時点ではほとんど総立ちになりそうな勢いの大喝采。アンコールも2曲。1曲目はシューベルトのクーペルヴィーザー・ワルツ(たぶん。知らない曲だったので、違ってたらゴメン)、2曲目はドビュッシーの前奏曲集第1巻から「ミンストレル」。前半があまりに盛り上がったので、これでお客さんが帰ってしまったらどうしようかと一瞬心配になったが(もう遅いし)、これは杞憂でベートーヴェンの7番も十分に喜んでもらえた。
●終演後、ルネ・マルタン氏は「このフェスティバル30年の歴史の中でも十指に数えられる見事なコンサート」と興奮した面持ちで語り、OEKに対しても「ヨーロッパの一流オーケストラと肩を並べるレベルに到達している」と賞賛の言葉を寄せてくれた。
マルセイユの空港
●こちらは帰国途中、マルセイユの空港で見かけたラ・ロック・ダンテロンのポスター。ルネ・マルタンといえばラ・フォル・ジュルネなんだけど、先にこのラ・ロック・ダンテロンを始めてるんすよね。もう31回目だから歴史がある。客層は年配の方が中心。エル=バシャとOEKの公演の後に、何人かお客さんをつかまえて話を聞いたんだけど(あ、実際に話したのは通訳の方なんだが)、あるマダムは「この音楽祭に来るのはもう21回目。夫婦で一泊二日で来ています。でも夫はクラシックが好きじゃないので、演奏会はいつも私一人で聴いているの。日本は震災があって大変でしたね、お悔やみ申し上げます。でも日本人の辛抱強さがあればきっと克服できると思います」と述べてくれた。

August 3, 2011

OEKツアー、ラ・ロック・ダンテロンでチッコリーニと共演

ArteのTVカメラ●ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバルの3公演目は大ベテラン、アルド・チッコリーニとの共演とあって注目を集め、Arteのテレビ中継も入った。前半にチッコリーニがベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番、さらにシューマンのピアノ協奏曲の2曲を弾き、後半にベートーヴェンの交響曲第7番というもりだくさんのプログラム。この公演の模様は3日後くらいからArte Webでオンデマンドで見ることができるはず。
ラ・ロックのチッコリーニ
●写真はゲネプロから。本番は大成功となった。その様子は改めて。宿泊したエクサン・プロヴァンスのホテルの無線LANがあまりに細すぎて更新がままならず、実は今マルセイユの空港からこれを上げている。2週間のツアーを終えて、これから帰国である。

August 2, 2011

ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル

●OEKツアーはエクサン・プロヴァンスに来ている。ここから車で40分くらいの距離にある南仏の小村がラ・ロック・ダンテロン。道中、見かけるのは畑と林ばかり。緑が豊かで大変美しい場所だ。
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル
●そんな森の中に野外劇場がある。半球型のドームでステージが覆われている。ここにピアノを持ち込んで音楽祭が行なわれる。このラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバルの創設者が、日本でもおなじみ、ラ・フォル・ジュルネのルネ・マルタン氏。LFJのアーティストたちが大勢出演する。オーケストラ・アンサンブル金沢もLFJ金沢の縁があって招かれている。今回が2回目の出演。ピアノの音楽祭なので、プログラムの中心はピアノ協奏曲ということになる。ケフェレック、エル=バシャ、チッコリーニと3日間続く。
ラ・ロック・ダンテロンのステージ
●この会場、2000席の野外劇場だがPAは使っていない。しかしまったく問題なく、後方まで音が飛んでくる。写真は昼間のリハーサル時のものだが、開演は21時30分とか、21時とか、かなり遅い。開演してから日が暮れるという感じ。夜空を見上げながら音楽を聴ける。
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル売店
●こちらは開演直前のショップ(まだ明るい)。TシャツやCD、音楽書などを販売していて、まさにラ・フォル・ジュルネと同じスタイル。もっともつい欲しくなるような特製グッズみたいなものは見当たらず、商売っ気は薄い。

August 1, 2011

OEKツアー2011、ハンブルク公演

ライスハレ
●シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭でのオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)公演、3公演目はハンブルクのライスハレ(ムジークハレ)にて。今回の4カ国5都市にわたるツアーでは最大の都市での公演。会場は北ドイツ放送交響楽団の本拠地。ここまでモダン建築のホールばかりが続いていたので、クラシックなスタイルのコンサートホールに足を踏み入れることができ、テンションが上がる。建物そのものが美しい上に、内部もため息を漏らしてしまうような荘重さ。音もよく響く。
ライスハレ内部
●OEKの演目は武満徹「3つの映画音楽」、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番イ長調(菊池洋子独奏)、後半にベートーヴェンの交響曲第7番イ長調。井上道義指揮。後半のベートーヴェンは圧巻だった。ホールのためか、お客さんとの相互作用なのか(よく入っていて、普通にシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭のなかの一公演として成立している。現地日本人が大勢来ているわけではない)、同じツアーで何度か演奏してる曲であるにもかかわらず、普段とは違う特別な熱いサウンドが生まれていた。第1楽章が終わった時点ですでに客席に軽い驚嘆の空気を感じたし、第4楽章が終わった瞬間は「ウォーー」という地鳴りのようなブラボーの声が押し寄せてきた。拍手が手拍子に変わり、アンコールに中村八大作曲「上を向いて歩こう」、さらに武満徹「3つの映画音楽」の3曲目「ワルツ」。ここでもスタンディング・オベーションが見られた。これだけの成功を収められたのだから、音楽祭としてもOEKを招いた甲斐があったのでは。
●公演を終えた翌日、ハンブルク→フランクフルト→マルセイユと飛んで、バスでエクサンプロヴァンスへ移動。続いてラ・ロック・ダンテロン・ピアノ国際フェスティバルで3公演が開かれる。

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