●コメ不足だというニュースが広がり、じりじりとお米の価格が上がっているなと思ったら、先日、近所のスーパーのお米売場がすっからかんになっていた。けっこういいお値段が付いているのに一袋もない。この光景を見て、自分の心のなかのマリー・アントワネットがささやいた。「お米がなければパンを食べればいいじゃない」。
●後日振り返るためにメモしておくと、amazonブランドの会津産コシヒカリ無洗米5kgが、本日時点で税込3625円。同商品の価格履歴をその筋のサイトで調べると、昨年11月には2000円だった。生協の宅配だと、ふだん1950円ほどのお米が今は2700円になっている。4割増くらいだ。
●ともあれ、農水省の言うように、これから今年の新米が供給されるわけで、まもなく品薄感は解消されるはず。ニュースを知って慌ててお米を買うことで一時的に需要が爆増していると思うので、しばらくすると逆にお米がだぶつくかもしれない。
●今日、外出先でスーパーをのぞいてみたら、お米売場にずらりとカルビーのフルグラが並んでいた。コメはなかった。ふたたび、心のなかのマリー・アントワネットが勝ち誇ったように叫んだ。「お米がなければフルグラを食べればいいのよっ!」
Uselessの最近のブログ記事
コメがなければ
画像生成AI、Stable Diffusion で描いた音楽家たち
●今ネット上で話題沸騰中の画像生成AI。どんな画像を描いてほしいのかを英文テキストでリクエストするだけで、AIが画像を自動生成してくれる。そうやって描かれたステキ画像がSNS等に掲出されているのを見たことがある人も多いのでは。特に評判なのがMidJourney、そしてStable Diffusionの2種(参照:Stable Diffusionの紹介記事)。さっそくStable Diffusionにベートーヴェンのキリッとした肖像をリクエストしたら、上のような画を描いてくれた。どうっすか。すごくない? これってネット上から収集した画像を深層学習して描いてるんすよね。
●で、次はピアニストを描いてもらおうと思った。どんな作風で描いてもらうかも自由に指定できる。AIはきっとアニメ調が得意なんじゃないかと思い、japanese anime styleでリクエストしたら、こんなのができた。
●おっ、いいね! ちゃんとアニメ調になってる!ただ、少し惜しいミスがある。なんというか、使っちゃいけない絵になってる。もう一枚、今度は「イラストレーション風に」という漠然とした指定でお願いしてみた。
●はい、できた! このタッチ、だれかの画風に似ている。ただなー、AIには少し言いにくいんだけど、さっきと同じ惜しいミスがあるんだな。どうしてそこをまちがえてしまうのか、AIさん。そこで画風をぐっとクラシックな感じでお願いしようと思い、次は「デューラーとレンブラント調で」と具体的に画家名を入れてリクエストした。
●うむ、重厚な味わいが出た。AIさん、しっかりワタシの求めるテイストを理解してくれている。ただ、ホント、惜しいんだけど、前の2枚と同タイプのミスがある。どうしてなのかなー。pianistって語をどう学習すると、こうなるのか、謎。ともあれ、ピアニストはそんなに得意分野じゃないみたいなので、ヴァイオリニストをお願いすることにした。「30代の長髪のイケメン男性ヴァイオリニスト」をリクエストする。
●あ、こういうタイプのヴァイオリニスト、知ってる気がする! 少し目がイッちゃってる系なのが気になるけど、雰囲気があって人気出そう。ただ、楽器が……そのヴァイオリン、どこがどうなってるのか、よく構造がわからないのですが、AIさん。分解・再構築されたヴァイオリンというか。続いて、女性ヴァイオリニストも描いてもらう。20代のキレイ系でお願いします!
●うっ……この画風もどこかで見たことがある気がするのだが。で、このお姉さん、ヴァイオリンの弾き方がヘンな気がする。というか、楽器も謎な形状になっていて、壊れているっぽい。よく見ると後ろにもう一台、ヴァイオリンが控えているのだが、それは壊れた用のスペアなのですか、AIさん。そこで気がついたのだが、イラスト調ではなく、写真風に描いてもらうともう少しリアリズムを重視してもらえるのではないか。男性ヴァイオリニストのポートレートをお願いした。
●わっ、いそう、こういう天才ヴァイオリニスト。でも楽器とか弓とかが複雑な形状で交錯していて、だれも知らなかった未知の奏法を編み出してそう!どんな音が出ているのか、まったく想像がつかないが、これまでのあらゆる特殊奏法が色褪せて見えてくる。
●AIは単体の楽器が苦手なのかもしれない。趣向を変えてオーケストラを描いてもらうことにした。空想的な絵という意味で、北斎調でお願いすることに。
●あ、これはいいんじゃないの? 絵として。例によって楽器の構造に注目するといろいろアレなのだが、絵柄的にはいい。「北斎調のオーケストラ」というリクエストで、こんな絵を描いてくるAIって、やっぱりスゴい! 調子に乗って、弦楽四重奏もお願いしてみる。「晴れた日のビーチにいる弦楽四重奏」でどうだろう。おしゃれなジャケ写っぽい絵を期待。
●違う……。ていうか、これ、String Quartetの意味が通じてないっぽい。なんらかのStringを持った4人組みたいな感じだ。たぶん、ワタシの指定が悪かったんだと思う。スマン、AI。もう少しAIの得意分野に寄せてみるべきではないか。そう反省して、次は「ピアノを弾くロボット」をリクエストしてみた。ロボ、得意でしょ?
●ロボ、そっちじゃない! そっちからは弾けないんだ、ピアノは。惜しいよ、AI。だいたい合ってるけど、わりと根本的なところでミスってる。
●と、こんな感じで試行錯誤しているのだが、デモサイトで軽く作っただけでもこれだけできるのにはひたすら感心。奇妙な画像が目立つが、きっと学習するデータを厚くすれば精度が高まるのでは。あまりおかしな画像ばかりだとStable Diffusionの実力が伝わらないので、最後に一枚、「ドラマティックな光に照らされたソーラーパンク風の未来の図書館」の絵を。AIさんはこういうのは得意。
君はBruckner 8、僕はRonald 9
●ある本を探そうと思って検索したら、たまたま引っかかったのがこちらのシャツ。Brucker 8。いったいこれはだれがどういう目的で買うものなのか、見当もつかないのだが、なるほど似たようなシャツはワタシもいくつか持っている。たとえばRonald 9とか、Nakata 7とか、Ronaldinho 11みたいなヤツだ。でも Brucker 8は持っていない。Brucker 5は売ってないかと探してみたがなかった。いや、買わないけど。
●こちらは Mozart 38。なかなかよいチョイスだと思う。しかし同じメーカーの商品一覧を眺めると、Mozartは38と31と29があって、なぜか39、40、41はない。どういうこだわりなのか謎。そしてメーカー情報が一切見つからないのが気になるが(日本じゃない気がする)、Amazonが出品者ということなら大丈夫なのかな、返品無料なんだし。どうなんだろ。いや、買わないけど。Schubert 9でさりげなくシューベルト協会にケンカを売ってるあたりは好ましいのだが。あ、でもこれ、背中じゃなくて胸にプリントなのか。そこはやや惜しい。いや、買わないけど。
大作曲家たちの微笑み
●Photoshop Elementsのメニューに「顔だちを調整」という機能があって、いったいなにに使うのか、ぜんぜんわからなかったのだが、「はっ」と思い立って使ってみた。作曲家の肖像画や写真って、やたらと渋い顔の人が多いので、この機能を使って口元をニッコリさせればよいのではないか。
ベートーヴェン
「フフフフ~ン♪」
バッハ
「これ、落としましたよ」
ワーグナー
「お茶でも行きませんか。ムフ」
ショパン
「今日の僕は絶好調だね」
マーラー
「昨日、いいことがあったんだよね」
シベリウス
「早く口を割った方が身のためじゃないのかね」
●ワーグナーとか、いい感じで笑ってくれた人もいるけど、コワモテのシベリウスは微笑んだらかえって怖くなった。目が笑ってないし。
〆切は何日がいいのか問題
●原稿の〆切は月末に集中する傾向がある。月刊誌などで発売日から逆算して、〆切がたまたま月末になってしまうのであれば、まあ、しょうがない。しかし、特に進行上の必然性がないのに、なんとなく月末に設定されてしまう〆切も少なくない。これは、ずばり、損。なにもわざわざ混雑する場所に突っ込む必要はないだろう。昔から「5・10日(ごとうび)には道路が混む」と言われる。各種の締め日が10日とか20日とかキリのいい日に設定されることが多く、その影響で道路が混雑するということらしいのだが、月末〆切も似たようなもので、もっと分散したほうがお互いにハッピーになれる。
●そこで、特に何日でもいいような〆切は、他人と重なりそうもない素数の日に設定してみてはどうか。月末とか10日とか20日という〆切はよくあるが、7日とか11日という〆切はめったにない。素数日なら空いている道をスイスイと進むような快適さを体験できるのではないか。13日や17日という〆切もさっぱり記憶がない。19日、23日もなかなか新味のある〆切だ。続く素数日は、29日、31日。一か月のなかで最大の素数日は31日だ。キング・オブ・素数〆切は31日! イェーイ!
追悼 ディエゴ・マラドーナ(1960~2020)
●ディエゴ・マラドーナ逝去。サッカーの世界では次々とスーパースターが誕生するが、もうこのような存在は二度と現れないだろうと思えるのはマラドーナだけ。能力でマラドーナを超える選手が出てきたとしても、神話性でマラドーナに並ぶことは難しい。現代フットボールの世界で、「神の子」と呼ばれ、信仰の対象にまでなるような選手を想像できない。
●もっとも記憶に残るプレイは、やはりワールドカップ1986メキシコ大会における対イングランド戦の「5人抜き」と「神の手」ゴール。1986年大会は、本来コロンビアが開催権を持っていたが、これを返上したため、1970年に続いてメキシコで開かれることになった。フォークランド紛争の当事者同士による因縁の対決が準々決勝で実現。2つの伝説は間を置かずして訪れた。51分のマラドーナの「神の手」は、次のゴールがなければただの誤審でしかなかっただろう。しかし55分に伝説の「5人抜き」ゴールが誕生する。もうこんなプレイが飛び出したら、ハンドの誤審などどうでもよくなる。この試合で1点返したイングランドの選手が後に名古屋に在籍するリネカー。
●マラドーナの選手時代の頂点はナポリ時代だろう。84年にバルセロナからナポリに移籍して、南部の弱小チームを史上初めてセリエA優勝に導いた。でも、当時の日本では海外サッカー情報を得る手段が乏しく、ナポリ時代のことは後から知ったことばかり。セリエAとかナポリの位置づけもわかっていなかった。92年にセビリアに移籍した頃になると、リアルタイムの情報もなくはなかった。まだインターネット以前だったがパソコン通信を通じて、セビリアの試合結果をチェックしていたのを思い出す。が、得点者にマラドーナの名前を見ることはまれ。ナポリに訪れたような奇跡は起きなかった。薬物依存症がなければぜんぜん違ったキャリアがあったはず。
●一度、メッシがスペインリーグでマラドーナそっくりの5人抜きゴールを決めたことがあった。あまりにも似ていて、本当に驚く。ただ、メッシも左利きだけど、最後のゴールは右足で蹴っている。マラドーナは最後まで左足。
ほうじ茶ラテ、あるいはほうじ茶オレ
●最近、気に入っているのがほうじ茶ラテ。ほうじ茶のティーバッグが買ったままほとんど使われないままになっていたのに気づき、もしや?と思って試してみると、これがいい。飲むとほっとする。カップに牛乳を1/3くらい入れて、レンジで1分ほど温める。それからティーバッグを入れ、熱湯を注ぐ(ミルクティーもそうやって入れている)。で、さらに自分はスティックシュガーを加える。甘さが加わることで、いくぶん堕落したムードの飲み物になるのが好ましい。
●いや、待てよ。ほうじ茶ラテと言ったが、ほうじ茶オレではないのか、これは? カフェラテとカフェオレはぜんぜん別の飲み物だ。ワタシの理解では、カフェラテはエスプレッソにスチームミルクが入っている。カフェオレはコーヒーと温めたミルクが合わさったものだ。この場合、自分が飲んでいるのはほうじ茶ラテなのか、ほうじ茶オレなのか。ほうじ茶にはエスプレッソという概念はないと思うし、ミルクは普通に温めただけだから、どちらかといえばほうじ茶オレなのではないか。オレのラテは実はオレなのか。
●いやいや、それも違うだろ、ラテはイタリア語でオレはフランス語で意味は一緒だろう。カフェラテとカフェオレの本質的違いは、豆の焙煎度やミルクの温め方ではなく、コーヒー+ミルク飲料をイタリア風の様式で飲むかフランス風の様式で飲むか、といった話では。バッハにたとえるなら、イタリア協奏曲かフランス風序曲なのか。そう考えれば、ほうじ茶ラテなのかほうじ茶オレなのか、おのずと答えは出る。これはイタリアでもなくフランスでもなく、日本様式の飲み物だ。以後は「ほうじ茶牛乳」と呼ぶことにしたい。
日本三大海洋回文
●以下を日本三大海洋回文と定める。
軽いノリのイルカ
イカのダンスは済んだのかい
今朝食べた鮭