●繁盛しているラーメン屋に入った。
ワタシ:「えーっと、ラーメン!」
おばちゃん:「はーい、ラーメン一丁!」
隣に座った女性:「ラーメンください」
おばちゃん:「はーい、ラーメン一丁!」
むっつりした若い男:「ねぎラーメン……」
おばちゃん:「はーい、ラーメン一丁!」
●あ、ヤバい、おばちゃん、ラーメンじゃなくて、ねぎラーメンだよ、と客はみな心の中で叫んだ。しかし誰も声を発することはできない。そしてワタシは急いで目の前のラーメンを食べた。すると、右隣の女性も急ぎだした。左のオジサンも懸命に食べている。誰も声を発しない。おばちゃんとねぎラーメンを頼んだお兄さんを除いた全員が、一刻も早くこの場を立ち去ろうとしている。来るべき、恐ろしい修羅場から逃れようと。
Useless: 2004年3月アーカイブ
ラーメン屋のカウボーイ
ヒマな人
●夜、若者がケータイにしゃべっていた。「あー、オレ、今日ヒマでさー、もう死んでいいってくらいヒマ」。
●死ぬなよ、そんなんで。
イ・タ・す・ぎ・る!
●洗濯機「ガーー、ゴッ、ガーー、ゴッ、ガーー、ゴッ、ガーー、ゴッ」
(ふー、今日は疲れたなあ。なんかストレス解消しなくちゃ……)
●洗濯機「ガーー、ゴッ、ガーー、ゴガッ、ガーー、ゴガッ、ガーー、ゴガガッ」
●洗濯機「ガーー、ゴツガッ、ガーー、ゴツガッ、ガーー、ゴッツガンッ、ガーー、ゴッツガンッ」
(あれ、なんかゴツって音が洗濯機からするなあ。なんかヘンなもん入れたっけ)
●洗濯機「ガーー、ゴツゴツンガッ、ガーー、ゴツゴツンガッ、ガーー、ゴツゴツンガッ、ガーー、ゴツゴツンガッ」
(む、そういえばオレ、まさかケータイ、ズボンのポケットに入れたまま洗濯機に放り込んだりしてないよな……)
●洗濯機「ガーー、ゴツゴツンガッ、ガーー、ゴツゴツンガッ、ガーー、ゴツゴツンガッ、ガーー、ゴツゴツンガッ」
(してないしてない、ケータイはテレビの上に置きっぱなしだったっけ。でも一応確認しておくか、あっ、でもテレビの上を探して見つからなかったりしたら怖すぎだな。うん、先に洗濯機のズボンを確かめてしまおう)
●洗濯機「ガーー、ゴツゴツンガッ、ピピピッ」
(よし、一時停止オッケー。えっとズボンズボン、そうそうこいつのポケットが……)
(……か、角張ってる……)
(……し……)
(……………)
「ウオオオオオオオオ、オレのお気に入りのケータイ、ざぶざぶと洗われて、中から水が出てくる出てくる、しかも液晶画面にたっぷんこっと水が入ってて、いまピカッて一瞬光ったらもう電源つかない、絶対つくわけない、でもほうら、アタックなら基盤の隅まで真っ白、っていうか笑えない、これマジにイ・タ・す・ぎ・る!!」