●雑誌でも書籍でも、見出しのつけ方は大切である。多くの場合、見出しは編集者がつける(が、最近はライターが書くことも多い気がする)。特に雑誌になると、大見出しがあって、リードがあって、本文中に小見出しが何本も入って……と見出しの数が増える。見出しは記事の内容を簡潔に伝えるものでなくてはならない。だが、あまりに淡々として新聞みたいになってしまうと、引きが弱くなる。「ついに出会った至高の名盤とは!?」みたいに、とにきは煽らなければならない。あとは「ん、これってなんだろう?」と読者に思わせるような変化球も(たまに)必要になる。
●↑と、いうのが活字時代の見出しだった。ところがブログになると事情はぜんぜん違ってくる。ワタシも最初のうちはつい見出しで読者の気をひこうとか考えてしまったのだが、これはあまり得策ではないと気づいた。ブログの見出しは人間の読者よりも、検索エンジンを相手に書かなければいけないんである。つまり、アンナ・ネトレプコについて記事を書くんだったら、「ネトレプコ」で検索したときにどれだけそのページの順位が上に来るかによって、そのページの先々の累積的なヒット数が変わってくる。そこで紙媒体のノリで「メトロポリタン・オペラの常連客が立ち上がって拍手を送る美貌の歌手とは」みたいに見出しをつけてしまうと、「ネトレプコ」で検索してもなかなかヒットしない。じゃあどうするのがいいかっていうと、たぶんその記事の見出しは「アンナ・ネトレプコ」とか「ネトレプコ大好き」とか「ネトレプコとは」にしたほうがいい。なんの工夫もなく、そのまんまのほうがいいんである。「そのまんま」というのは、細かいことをいえば最高ではないが(つまり対検索エンジン的により効率のよいテクニックはあるかもしれないが)、少なくともかなりよい方法ではある。労力も不要だし。
●このエントリーは見出しのつけ方について書いている。したがって、見出しは「見出しのつけ方」がふさわしい。
Useless: 2011年11月アーカイブ
November 9, 2011