●今ネット上で話題沸騰中の画像生成AI。どんな画像を描いてほしいのかを英文テキストでリクエストするだけで、AIが画像を自動生成してくれる。そうやって描かれたステキ画像がSNS等に掲出されているのを見たことがある人も多いのでは。特に評判なのがMidJourney、そしてStable Diffusionの2種(参照:Stable Diffusionの紹介記事)。さっそくStable Diffusionにベートーヴェンのキリッとした肖像をリクエストしたら、上のような画を描いてくれた。どうっすか。すごくない? これってネット上から収集した画像を深層学習して描いてるんすよね。
●で、次はピアニストを描いてもらおうと思った。どんな作風で描いてもらうかも自由に指定できる。AIはきっとアニメ調が得意なんじゃないかと思い、japanese anime styleでリクエストしたら、こんなのができた。
●おっ、いいね! ちゃんとアニメ調になってる!ただ、少し惜しいミスがある。なんというか、使っちゃいけない絵になってる。もう一枚、今度は「イラストレーション風に」という漠然とした指定でお願いしてみた。
●はい、できた! このタッチ、だれかの画風に似ている。ただなー、AIには少し言いにくいんだけど、さっきと同じ惜しいミスがあるんだな。どうしてそこをまちがえてしまうのか、AIさん。そこで画風をぐっとクラシックな感じでお願いしようと思い、次は「デューラーとレンブラント調で」と具体的に画家名を入れてリクエストした。
●うむ、重厚な味わいが出た。AIさん、しっかりワタシの求めるテイストを理解してくれている。ただ、ホント、惜しいんだけど、前の2枚と同タイプのミスがある。どうしてなのかなー。pianistって語をどう学習すると、こうなるのか、謎。ともあれ、ピアニストはそんなに得意分野じゃないみたいなので、ヴァイオリニストをお願いすることにした。「30代の長髪のイケメン男性ヴァイオリニスト」をリクエストする。
●あ、こういうタイプのヴァイオリニスト、知ってる気がする! 少し目がイッちゃってる系なのが気になるけど、雰囲気があって人気出そう。ただ、楽器が……そのヴァイオリン、どこがどうなってるのか、よく構造がわからないのですが、AIさん。分解・再構築されたヴァイオリンというか。続いて、女性ヴァイオリニストも描いてもらう。20代のキレイ系でお願いします!
●うっ……この画風もどこかで見たことがある気がするのだが。で、このお姉さん、ヴァイオリンの弾き方がヘンな気がする。というか、楽器も謎な形状になっていて、壊れているっぽい。よく見ると後ろにもう一台、ヴァイオリンが控えているのだが、それは壊れた用のスペアなのですか、AIさん。そこで気がついたのだが、イラスト調ではなく、写真風に描いてもらうともう少しリアリズムを重視してもらえるのではないか。男性ヴァイオリニストのポートレートをお願いした。
●わっ、いそう、こういう天才ヴァイオリニスト。でも楽器とか弓とかが複雑な形状で交錯していて、だれも知らなかった未知の奏法を編み出してそう!どんな音が出ているのか、まったく想像がつかないが、これまでのあらゆる特殊奏法が色褪せて見えてくる。
●AIは単体の楽器が苦手なのかもしれない。趣向を変えてオーケストラを描いてもらうことにした。空想的な絵という意味で、北斎調でお願いすることに。
●あ、これはいいんじゃないの? 絵として。例によって楽器の構造に注目するといろいろアレなのだが、絵柄的にはいい。「北斎調のオーケストラ」というリクエストで、こんな絵を描いてくるAIって、やっぱりスゴい! 調子に乗って、弦楽四重奏もお願いしてみる。「晴れた日のビーチにいる弦楽四重奏」でどうだろう。おしゃれなジャケ写っぽい絵を期待。
●違う……。ていうか、これ、String Quartetの意味が通じてないっぽい。なんらかのStringを持った4人組みたいな感じだ。たぶん、ワタシの指定が悪かったんだと思う。スマン、AI。もう少しAIの得意分野に寄せてみるべきではないか。そう反省して、次は「ピアノを弾くロボット」をリクエストしてみた。ロボ、得意でしょ?
●ロボ、そっちじゃない! そっちからは弾けないんだ、ピアノは。惜しいよ、AI。だいたい合ってるけど、わりと根本的なところでミスってる。
●と、こんな感じで試行錯誤しているのだが、デモサイトで軽く作っただけでもこれだけできるのにはひたすら感心。奇妙な画像が目立つが、きっと学習するデータを厚くすれば精度が高まるのでは。あまりおかしな画像ばかりだとStable Diffusionの実力が伝わらないので、最後に一枚、「ドラマティックな光に照らされたソーラーパンク風の未来の図書館」の絵を。AIさんはこういうのは得意。
Useless: 2022年8月アーカイブ
August 31, 2022